「東川」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩が日本人の難読名字を紹介します。
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「東川」という名字は、村の中心部からみて東側を流れる川の近くに住んだ人が名乗った方位由来のもので、とくに珍しいというわけではない。しかし、その多くは漢字の読み方通り「ひがしがわ」と読む。
また、「東」を音読みした「とうがわ」ともよむ他、奈良県では「とうがわ」を短くした「とがわ」という読み方が多数を占めているが、五條市や御所市では「うのかわ」という独特の読み方をするものもある。
日本では、古い時代には東西南北の方角を十二支で表していた。北が「子(ね)」の方角で、右回りに十二等分して「丑」「寅」「卯」と進んでいき、最後の北北西が「亥(い)」の方角である。南は「午(うま)」の方角となることから、今でも南北を結ぶ経線のことを「子午線」と呼ぶなど、方角を十二支で呼んだ名残が残っている。
この呼び方だと、東は「卯(う)」の方角となる。したがって、村の中心から見て東側を流れる川は「卯の方角の川」で、ここから「東川」と書いて「うのかわ」となったものだ。