「外鯨」この名字、読めますか? クジラ漁にちなんでいると思いきや…実は海に面していない栃木県の名字です

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「外鯨」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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「外の鯨」という字面からクジラ漁に因む名字のようにみえるが、実は海に面していない栃木県の名字で、ルーツは宇都宮市にある徳次郎という地名。ここはもともとは「徳次郎」と書いて「とくじら」と読んでいた。1954年に徳次郎地区のある富屋村が宇都宮市と合併した際に、漢字の読み方に従って「とくじろう」と変更されたが、地元ではその後も「とくじら」と呼び続けていたことから、2021年3月に本来の読み方である「とくじら」に戻されている。

この徳次郎地区の人達は、元は日光にある久次良(くじら)地区から移住してきたと伝える。「外の久次良」から来たので地名が「外久次良」となり、「とくじら」と呼ばれたという。

そして、ここに住んで人が「とくじら」に「外鯨」という漢字をあてて名字にしたのが始まり。一方、地名は本来の「外久次良」から徳次郎に変化し、読み方も「とくじろう」に変わっていたものだ。

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