みなさん「小1プロブレム」をご存知ですか? 小1プロブレムとは、集団行動がうまくできない、授業中椅子に座っていることができない、小学校に馴染むことができないなど、こうした状態が数カ月続くことをいいます。そのためしっかり授業を受けることができなかったり、友達とうまく関係を築くことができないといったことにつながることがあります。
小1プロブレムの原因は一つではなくさまざまな原因があります。例えば、家庭でしつけができていない、自分自身をコントロールする力が身に付いていない、集団行動が苦手などが挙げられます。ただ、中には発達障害の児童もいるのでそこは見極めが必要です。
幼稚園や保育園など、遊ぶことが中心の生活だったのが、小学校へ入学すると椅子に長時間座り授業を受けることになります。また、担任の先生に対して子どもの数が大きく変わり、サポートやケアが行き渡らない場合もあります。
このように子どもにとっては環境が大きく変わるときなのです。環境が変われば、落ち着きがなくなったり、精神的に不安定になったりと子どもながらに順応しなければと思う反面、それが辛くなったりどうしたらいいのかわからなくなったりしてしまいます。
では、こんなとき保護者にできることはあるのでしょうか?
家庭でできる就学準備
就学となると勉強にばかり目がいきがちですが、勉強の他にもマナーやルールなど子どもに教えておくべきことや一緒に準備できることがたくさんあります。
▽(1)自分のことは自分で!自立心を芽生えさせる
当たり前のように思えますが、幼児の期間だとつい親が手を出してしまいがちです。しかし、それでは子どもに自立心が芽生えません。登園の支度、着替えをお風呂に入る前に準備をさせるなど子どもが始めやすいところから取り組んでみましょう。
少しずつ発展させていくことで、自立心が芽生え、やがて子どもが自分で考え行動することにつながってきます。
▽(2)生活の中に“時間”を取り入れる
基本的に幼児期は時間を意識して行動することはありません。自分の納得いくまで物事に取り組んだり、飽きるまで遊ぶなど、大人のように時間を意識して生活をしていません。そのため、小学校で突然チャイムに合わせて行動するというのは子どもにとって大きなストレスになりかねません。
まずは家庭で生活の中に“時間”を取り入れてみましょう。
起床時間、就寝時間、食事の時間、入浴の時間など毎日繰り返して行うことに関しては決まった時間に行うのがおすすめです。習慣化されることで、子どもの体も慣れていき、時間に縛られている、窮屈だと感じることも少なくなります。習慣化されるようになれば、時計を見て、何時になったら何をする時間といったように、自発的に行動できるようになれば、学校生活でも心配がなくなります。
また、授業時間の45分間を座っていられるように、併せて練習をしてみましょう。いきなり、机に座って45分間勉強をするのは難しいので、45分間遊ぶ→休憩する→45分間遊ぶのように、まずは習慣を作っていきます。これを次第に机上でできる遊びや知育遊びに変えていくなどして、45分間座っていられる状態をつくりましょう。
▽(3)家庭内で役割を与える
食事を作る人、掃除をする人など家庭内ではそれぞれ役割があります。その役割を子どもにも与えてみましょう。まずはお手伝いなど簡単なものから段階的に行うのがいいでしょう。
お手伝いをする場合は、具体的な指示から複数の指示、抽象的な指示と段階を上げていくことで、自ら考えて、判断することができるようになります。
また、家庭内で役割を与えることで自分は必要とされているんだと感じ、自己肯定感の高まりや、社会性が身に付いていきます。
子どもの様子をよく見ておこう!
子どもが就学したときに戸惑うことがないように、できる範囲で子どものサポートをしましょう。もちろん勉強をすることも大切ですが、それ以上に学校という日常生活を送れるようにすることが先決です。また、就学後も子どもの様子をよく観察して、今日の出来事や友達のこと、授業のことなど家庭での会話を積極的にしていきましょう。