分類変更で「規制はどうなる?」「公費負担は?」 新型コロナなぜ分類変更が必要なのか?(3)

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

分類を変更すると、規制はどうなるか?

感染症は、感染症法上の分類によって、国や自治体が、国民に対して実施できる感染対策が決められており、分類が変更されると、感染症法、検疫法、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)等の、どの条文のどの内容が適用されるか、が変わってきます。

1類から3類は、入院勧告(1、2類のみ)や就業制限、「新型インフルエンザ等感染症」はそれらに加えて外出自粛要請などの行政による強権的な措置の対象となり、4類は、調査の実施や対物措置という比較的軽易な権限行使の対象であり、5類については発生動向調査などで、強権的な措置の対象とはなりません。

新型コロナが「5類」に変更された場合、「5類」を対象としていない以下の規制は行われなくなります。

①「緊急事態宣言」や「外出自粛要請」等が行えなくなる。
特措法の対象となるのは、「新型インフルエンザ等感染症」、「指定感染症」、「新感染症」

②空港や港湾で行われている検疫や隔離などの水際対策が行えなくなる。
検疫法の対象となるのは、「1類」、「新型インフルエンザ等感染症」

③入院勧告、就業制限要請などが行えなくなる。
感染症法上、入院勧告の対象となるのは、「1類」、「2類」、「新型インフルエンザ等感染症」、「新感染症」、就業制限の対象となるのは、これらに加えて「3類」

④感染者や濃厚接触者の法的な待機がなくなる。
感染症法上、これらの対象となるのは「新型インフルエンザ等感染症」

例えば、感染爆発が起こった中国からの入国者に対して水際対策を強化している中で、水際対策が行えなくなるのか、といった問題がありますが、分類変更は今すぐ行う、ということではなく、方針は決めるものの、その実施時期については、少なくとも、この第8波が落ち着き、中国からの入国者への対応含め、国民の不安が減ってから、ということにするのだと思います。

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