石川県にある農業法人「安井ファーム」の公式ツイッターアカウント(@yasuifarm)の投稿が注目を集めています。
「ブロッコリー、野菜室に入れてませんか?」
ブロッコリーの保管場所として、冷蔵庫の野菜室は「オススメできません」というのです。初耳だったユーザーも多く、「知らなかった」「野菜室に入れてた」「助かる情報」と驚きの声が広がっています。
野菜室では温度が高い
同社はブロッコリーや水稲栽培などを行う従業員30人の農業法人。ブロッコリーの取り扱い品種は年間約30種にも上り、東京ドーム約14個分の70ヘクタールの畑で栽培を行っています。3、4月はちょうどブロッコリーの出荷期間。昨年は約190万株を収穫したそうです。
話題のツイートには続きがあります。
「ブロッコリーの最適保管場所はチルドルームです。野菜室に入れておいたら黄色くなってしまった、という声を多く聞きますので定期的にお知らせしております」「ブロッコリーは他の野菜や果物から発生したエチレンガス(成熟ホルモン)の影響を受けやすいため、保管する際はポリ袋に入れることを推奨いたします」(安井ファームツイートより)
ブロッコリーのお役立ち情報を発信し続ける同社ツイッター担当者によると、「ブロッコリーの貯蔵最適温度は0度」。「野菜室では少し温度が高いため、オススメできません。チルドルームが無い、または入らないという方は冷蔵室にて保管していただくと野菜室で保管するよりは長持ちさせることができます」。
購入後は何日で使い切る?
ーーチルドルーム+ポリ袋がベストなのでしょうか?
安井ファーム:「ベストを追求しようとすると鮮度保持袋を使ったり、ブロッコリーを立てて保存したりといろいろやり方があるのですが、手に入りやすさや実践しやすさというところを踏まえ、当アカウントではチルドルーム+ポリ袋をオススメしております」
ーースーパーで購入しチルドルームで保管した場合、何日くらいをめどに使い切るのが理想的ですか?
安井ファーム:「0度環境下では20日間品質を保持したという報告もありますが、スーパーに並ぶものは収穫から少し日が経っている場合がありますので、2週間を貯蔵限界とした上で10日をめどにお召し上がりいただければと思います。とはいえもちろん、できるだけ早く召し上がっていただくに越したことはございません」
「いいブロッコリー」見分け方は?
同アカウントが投稿した「いいブロッコリー」を見分ける方法も人気のツイートです。
「『ブロッコリーはツボミがキュッと締まったものを選ぶべし』…と、言われてもよくわからないと思いますので各種取り揃えてみました!」(安井ファームツイートより)
初心者でもどれがいいブロッコリーかひと目で分かるように、「パッサパサ、輪郭がガタガタ、まとまって見えるがいまひとつ、キュッと引き締まったもの」と状態の違う4種のブロッコリーを並べて比較。粒の粗いものは古いのでは…と勘違いされがちだそうですが、実は粒目が粗い品種もあるそう。「粒目の粗さではなく、ツボミの締まり具合で見分けるのがポイントです」と強調します。
「そもそも私自身がブロッコリーを選別する部署に配属された時、品質の違いを見せられてもサッパリ分からず苦労した覚えがあるので、かつて分からなかった者として発信に至った次第です」(担当者)。
LINEスタンプまで発売
いいブロッコリーのことを「ナイスブロッコリー」と独特の呼び方で表現する同社アカウント。これは業界用語ではなく、ツイッター上でのフォロワーとの会話の中で自然発生したものなのだとか。「今やみなさまに親しみを持っていただくための、決めゼリフのようなものとして機能しているように感じております」(担当者)。
専門知識をわかりやすく噛み砕いて世に広める同社では昨年、ブロッコリーが主役のLINEスタンプ「農家のブロッコリー」もリリースしました。
ブロッコリー愛あふれる担当者は次のように呼び掛けます。
「ブロッコリーにまつわるアレコレをいろいろと発信しておりますが、洗い方や調理方法などにおいて、絶対にこうしなければならないということはないので、気軽に、何よりも自由にブロッコリーをお楽しみいただければと思います。よきブロッコリーライフをお過ごしくださいませ!」