環境省は2018年9月、飼い主向けの災害対策ガイドライン「災害、あなたとペットは大丈夫?」を公表。災害時には、飼い主が自らの安全を確保してペットとともに避難するとし、最も有効な災害対策として、健康面やしつけを含めた普段からの適正な飼育を挙げる。
ガイドラインには、普段の生活から発災時、避難、避難生活までのそれぞれの段階で、飼い主がすべきことが書かれている。事前の対策としては、不必要に吠えさせない、ケージに慣らすといったしつけや、ワクチン接種、ノミ・ダニなどの駆除など。杉村さんは、持ち運びがしやすい折りたたみタイプのキャリーケースに慣らすことを勧める。
ペットとはぐれた場合の備えとしては、迷子札や、狂犬病予防の注射を打つともらえる予防注射済票の装着、マイクロチップの挿入を挙げる。また、ペット用の避難用品として、少なくとも5日分、できれば7日分以上の水やペットフード、薬、トイレ用品などの準備を呼びかける。指定避難所のペットの受け入れ状況の確認や、ペットを預けられる親せきや友人など複数の預け先の確保も大切だという。
杉村さんは言う。「これまでの災害では、避難所で他の被災者に迷惑をかけることを恐れて、車の中や、倒壊の危険がある自宅で過ごすケースが見られました。ですが、避難所に行かないと情報も救援物資も得られません。そして、ペットを連れてどこに避難すればよいかを知ることも大切ですが、避難生活が送れるようにしつけることを意識してほしい」
災害はいつ、どこで起こるか分からない。9月の台風15号では千葉県などが大きな被害を受けた。10月に入っても強い勢力の台風18号が接近しており、2日から4日にかけて、西日本などで強い風や雨への注意が呼びかけられている。大切なペットと安全に避難するための備えを、いま一度見直してみてほしい。