元保護猫の女の子「にこ」ちゃんと、男の子「はな」くんは、2匹一緒に保護されました。
当時、生後推定1カ月ほどだったふたりを保護したのは、X(旧Twitter)ユーザー・にこはなさん(@nikohana0622)さんです。
2014年10月、飼い主さんが小学生だった息子さんを迎えに行く途中、ゴミ捨て場そばの箱に気づきました。その中にいたのが、にこちゃんとはなくんです。
「家を出ると、ゴミ捨て場のそばに箱が置かれていることに気づいたのです。不審に思い箱を開けると、そこには2匹の小さな子猫が入っていました。すると、一方の猫が『シャー』と威嚇。それが、にこちゃんでした。今思うと、はなくんのことを守ろうとしていたのだと思います」
飼い主さんは一度その場を離れ、息子さんを迎えにいきました。そして子猫のことを話すと、息子さんは興味を示したといいます。
「にこちゃんとはなくんを家に連れて帰りました。よく見ると、ふたりの体には、黒い油のようなものがべったりと付いていて、ひどい状態……。とても痩せていて、ノミもいたため『劣悪な環境にいて捨てられたのかもしれない』と思い、胸が締め付けられたのを覚えています」
その後、にこちゃんとはなくんの体を洗ったものの、油は簡単には落ちませんでした。
「困り果てて、動物病院に電話して相談し、もみほぐすように洗ったところ少しずつ、汚れが落ちたのです。よほどおなかが空いていたのか、ごはんをあげると、ふたりともペロリとたいらげました」
家での新しい生活と猫たちの変化
にこちゃんとはなくんを保護した日、飼い主さん家族は話し合い、ふたりを家族の一員として迎え入れることを決めました。
保護当日、飼い主さんはふたりを動物病院に連れて行ったといいます。そして、お迎えする準備を始めました。
「保護したその日に、ホームセンターで猫用のグッズなどを買いそろえました。動物病院では、ふたりの性別と推定年齢などが判明。獣医師からは『たぶん9月ころに生まれたのかな?』と言われ、避妊と去勢の手術をすることを勧められました」
にこちゃんが避妊手術を受けるとき、ふたりが離れ離れになったときのエピソードも印象的です。
「にこは、1日入院して避妊手術をしなくてはいけなかったため、一時的ではありますが、はなと離れることに。すると、はなは、いつも一緒にいたにこがいないことに不安を感じたのか、私たちにべったりと甘えてきました」
また、日常ではふたりの個性あふれる行動が見られるそうです。
「にこちゃんとはなくんは、男性の声やインターホンをはじめとする大きな音、宅配便の配達員さんなどをとても怖がります。掃除機をかけるときも、私の『ブーンするよ』という一言を耳にした途端、ふたりは目を大きく開いて、一目散に逃げて姿を隠すほどです」
一方で、甘える様子もたまりません。
「私が一番、家にいる時間が長いこともあってか、ふたり一緒に私のあとを付いて回るのがかわいらしくてたまりません。外で洗濯物を干していると『ママー! 出してー!』と訴えるかのように、窓辺で二足立ちしながら前足でガリガリと引っかく仕草も愛らしいです」
猫たちへの思いとこれからの願い
にこちゃんとはなくんを迎えたことで、家族の生活に変化があったといいます。
「にこちゃんとはなくんをお迎えしたことで、家族で動物について話すことが増えたように思います。にこちゃんとはなくんについて『今日は、こんなことしていたよ』という報告や、日常で見かける鳥などいろいろな動物の話題が上がるようになりました」
その存在は家族にとって大きな癒しとなり、飼い主さん夫婦と子どもたちの絆を深めるきっかけにもなっているそうです。
「ちょうど子どもたちが思春期を迎える時期で、にこちゃんとはなくんがいてくれることで家族みなが癒やされています。子どもたちから悩みを打ち明けてもらえるきっかけもできて、一緒に考えたり、アドバイスしたりすることができました。私たち家族にとって、にこちゃんとはなくんは、なくてはならない大切な存在です」
これからも健康に気をつけ、快適な生活を送らせてあげたいと語る飼い主さん。
「にこちゃんとはなくんは、今年10歳、シニア期に入りました。健康には気をつけなくてはいけないと思っています。また、あれだけ人間に怯え、抱っこもできなかった子たちが、今ではすっかり甘えん坊になりました。寒い夜は、布団の中に入って一緒に寝てくれるまでになったのです。あきらめずに愛情をそそぐことで信頼関係を築くことができるのだと思いました」
飼い主さん家族に笑顔をもたらすにこちゃんとはなくん。これからの暮らしも、家族とともに幸せに包まれることでしょう。