しつこいアドバイスに女性ソロキャンパーうんざり… 「教え魔」への対策は?  公認指導者に聞いた“3つの心得”

門倉 早希 門倉 早希

1人の時間を楽しみたい女性ソロキャンパーたちに立ちはだかる「教え魔」が話題になっています。

「教え魔」とは、初心者と思しき人にあれこれ教えたがり、知識を披露したがる人のこと。頼んでもいないのに、「教えてあげようか」「一緒にやってあげようか」「こうした方が良い」としつこく話しかけてくる。断るのも一苦労なうえ、経験や練習を通じて学んでいくという楽しみを奪いかねません。

では、こんな「教え魔」への対処法は。一般社団法人・日本オートキャンプ協会の公認指導者で、建築写真家の吉田あげはさんにお話を聞きました。

対策法を指導者に聞いた

教え魔について、「私はキャンプに限らず何でも自分でやる方ですが、どんな世界にも上から目線で接してくる人はいました」と、自身も遭遇したことがあるという吉田さん。そのうえで、「人に教えてあげて役に立てるという快感は分からなくはないですが、相手の迷惑な様子をくみ取れないのは残念」と苦言を呈しました。

そんな教え魔への対策として、吉田さんは「予めシミュレーションをしておくことが大事です。何事においてもいきなりその場面に出くわすのと、心構えをしておくのとでは対応に差が出てきます」と述べます。そのうえで、しつこく声を掛けられたときを想定して、いくつかの対策を教えてくれました。

▽はっきりと「NO」を伝える
1番は「必要ないならはっきりと断る」と吉田さん。とはいえ、相手の逆上や角が立つことを恐れてハッキリ言えない人も多いはず。そういう場合は「『練習のために自分ひとりでやりたいんです』など、当たり障りのない口実をいくつか考えておきましょう。また、『管理棟に用があるので』などと言ってその場を離れるのも手です」。

▽先回りして意思表示をする
「『ひとり時間を楽しんでいるので、そっとしておいてください』といったカードを下げておくのも良いと思います」。ゴルフの練習場やボーリング場など、キャンプ場と同じく教え魔に遭いやすい場所では、「一人で練習します」というカードを用意しているところもあるそう。目につきやすい場所に掛けて意思表示するのも手だと吉田さんは話します。

▽周囲の人を頼る
「しつこいようなら管理人さんに相談してみる。周りのファミリーに助けを求めるなど、自分ひとりでどうしようもない時はためらわずに周りの人を頼りましょう」。トラブルやまさかの事態に備え、管理棟の場所や周囲の様子を事前に把握しておくのがベターでしょう。

これからキャンプを始める人へ

これからキャンプを始める女性に向け、吉田さんに気を付けておくこと・キャンプ場の選び方などを聞きました。

「女性に限らずですが、テント設営、火器の使用方法などは十分練習してから出かけましょう。キャンプ場選びも慎重に。管理人が夜間も常駐している、サイトを予め指定できる…など確認しておくのが良いです。

キャンプ場選びは、ソロ専用よりファミリー中心のところの方が安心感があります。女性専用であればさらに安心ですね。また、いきなりソロが不安なら、メーカーなどが主催するイベントキャンプという選択肢も。スタッフがいるので困ったことがあれば相談できますし、防犯面も安心です。

防犯については事前に知っておくことで対策ができます。知識は余裕につながります。

とはいえ、あれこれ考え過ぎずに、まずは楽しんでほしいです。無理だったら途中で撤収してもいいのです。自分のペースで、自分が楽しいと思えるスタイルで、ゆっくりキャンプを楽しんでください」

   ◇   ◇

そして最後に、断っているのに何度もしつこく「アドバイス」や声をかけ続ける人へ、吉田さんは「困った人を助けるのは良いことですが、お節介になっていないか、相手のことを思いやってほしい」と語りました。

◆吉田あげは:「COC(コールマンアウトドアクラブ)」発足の翌年1999年にキャンプ未経験ながら入会。以降、オート、ソロキャンパーとして活動。日本オートキャンプ協会主催のインストラクター資格認定講習会に参加。のち、キャンプ入門講座の講師などを経験。現在は主にイベントキャンプにソロで参加中。

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