工作機械という産業機械の開発者であるものづくりのプロ、しぶちょー(@sibucho_labo)さん。先日、お子さんとショッピングモールを訪れた際、タカラトミーのミニカー「トミカ」の売り場で、初めて見かけたものをX(旧Twitter)に投稿。大きな話題になった。
「【トミカの納車待ち】品切れしたトミカの棚で見かけた表示。本当に何気ないことなんだけど、こういう製品の”世界観”を大切にした配慮っていいよね。単におもちゃだけでなく、車を買うという体験までデザインされている感じがするね。よく“神は細部に宿る“っていうけど、こういうところだと思う」
大人の「遊び心」と「作り込み」
しぶちょーさんが投稿した、「品切れ」ではなく、「納車まち」という、本物の自動車の世界観を再現した「トミカ」の粋な配慮に、絶賛のコメントが殺到した。
「世界観とあそび心、勉強になります」
「ひらがな振っているところがさらに!」
「こういうの妙にカッコよく見えて、大人になっても覚えてること多い」
また、「納車まち」だった67番について、2024年10月に生産休止が発表されたトヨタの「ハイラックス」であることを調べた人も。
「私の子どももトミカやプラレールが大好きで、タカラトミーさんにはいつも大変お世話になっています。実は私は今、子どもに工作機械の面白さを伝えるためのおもちゃを開発中で、まさにおもちゃ作りの難しさを実感している最中でした」(しぶちょーさん)
ものづくりのプロであるしぶちょーさんも感心した、子どもたちに向けた配慮と心意気について、タカラトミーに取材を行った。
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「せめて届くまでの時間を楽しんでほしい」
ーー「納車まち」の札に対する反響についてのご感想をお聞かせください。
「お品切れでご不便をおかけしているなか大変恐縮なのですが、トミカの『納車まち』の表現を評価していただき、嬉しく思っております」
ーー「納車まち」という「お知らせ札」の工夫について教えてください。
「2003年頃(約20年前)、営業担当者が発案いたしました。当時、『品切れ』という札がありましたが、お子さんが欲しい車が今すぐに手に入らないということが申し訳なく、せめて、『納車まち』という表現にして、実際の新車の納車を待っている時と同じように、届くまでの時間を楽しんでいただけたら、という想いから発案しました。当社以外にも、売り場では各社様がそれぞれに工夫をなさっていると思います」
ーー子ども向けの商品を制作・販売する上で御社が大切にされていることは…?
「子どもたちが手に取りたくなる商品を作ることはもちろんですが、子どもたちがおもちゃ売場に行った時に、トミカの世界観を感じることが出来る楽しい売場、また行きたくなるような場所を提供することも大事にしています」
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タカラトミーでは2025年から、「トミカ」と『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』の初コラボレーションとなる『ドリームトミカ トミカ×ドラゴンボール』シリーズを新たに展開するという。
タカラトミーの遊び心と配慮に対する称賛のなかには、「タカラトミーの株を買おうと思ったら、株価爆上がりしてるね」といった声も寄せられた。
◼︎しぶちょーさんの著書「集まれ!設計1年生 はじめての締結設計」
◼︎しぶちょーさんのものづくりブログ「しぶちょー技術研究所」