Aさんは結婚して10年になる夫・Bさんと、2人の子どもと暮らしている兼業主婦です。子育てに翻弄されながらも、派遣社員として営業事務の仕事をしています。そんなAさんは長年、Bさんの「女癖の悪さ」に悩まされていました。結婚する前からBさんの女癖は悪かったのですが、ついつい情にほだされてしまい別れられなかったのです。
女癖の悪さを除けば、良き父であり良き夫でした。仕事ができてしっかり稼ぎもあるし、休みの日には子どもと一緒に遊んでくれます。長期休みには家族旅行にも連れて行ってくれます。
それでも定期的に浮気をしてしまう癖は治らず、その度にAさんはBさんに誓約書を書かせて「二度と浮気はしない」とサインさせていました。ただこの誓約書もついには5枚目です。
確かにBさんは、浮気がバレて誓約書を書く時には反省した表情をみせるのですが、しばらくすると何もなかったかのようにふるまい始めます。
「誓約書を書かせても、結局同じことの繰り返し。私たち家族の未来はどうなるの?」とAさんは途方に暮れています。浮気のたびに誓約書を書かせるAさんの方法は効果がないのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を伺いました。
ー浮気癖のある夫への誓約書は効果がないのでしょうか
Aさんが離婚を望んでいないという前提で話をすると、夫への誓約書は逆効果になる可能性が高いと考えます。Aさんは誓約書を書いたのだから「約束を守れ!」と考えていると思いますが、Bさんは「誓約書を書いて許された」とねじ曲げて解釈している可能性があります。次に浮気した時も誓約書を書けば許してもらえるだろうと考えているかもしれません。
ー誓約書には効果がないならAさんはどうすればいいでしょうか
誓約書は「北風と太陽」の話で例えると、北風のようなものです。強制すれば強制すればするほど、Bさんは家に帰りづらくなるでしょう。Bさんの行動をずっと監視するわけにはいかず、浮気を止めさせるのは完全には不可能です。
それよりも表面上だけでもBさんに太陽のように笑顔で接してみるのも手です。浮気相手に会うよりも家にいた方がいいと思うには、どうすればいいか考えることをおすすめします。
◆木下雅子(きのした・まさこ)行政書士、心理カウンセラー。大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。