有利子負債が多い…企業の「借金王」ランキング 2位は「ソフトバンクグループ」、1位は世界最大の自動車メーカーの1つ

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与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社は、このほど決算短信記載の有利子負債に基づいて集計した「第2回 借金王ランキング」を発表しました。有利子負債が多い「借金王ランキング」の1位は、前回と同様に世界最大の自動車メーカーの1つである「トヨタ自動車」(有利子負債26兆4964億円)となりました。また、上位20社のうち12社が年商以上の有利子負債を有することも分かったそうです。

2022年7月1日時点で開示されていた2021年4月期決算以降の最新決算に基づき、金融機関(銀行、証券会社、保険会社等)を除く決算短信提出企業3202社を対象に実施された調査です。

決算短信記載の有利子負債に基づいて集計したところ、「借金王ランキング」の上位3社は、1位「トヨタ自動車」(有利子負債26兆4964億円)、2位「ソフトバンクグループ」(同21兆4574億円)、3位「本田技研工業」(同8兆1026億円)となりました。

4位以下では、4位「三菱HCキャピタル」(同7兆4616億円)、5位「日本電信電話」(同7兆3643億円)、6位「日産自動車」(同6兆9978億円)、7位「ソフトバンク」(同5兆9995億円)と続きました。

なお、上位20社の業種としては、「自動車製造業」「物品賃貸業」「通信業」「電気小売業」が3社ずつランクインしていました。特に「自動車製造業」と「通信業」においては上位7社までに3社ずつランクインしており、有利子負債の多さが目立つ結果となっていたそうです。

また、上位20社において売上規模と有利子負債を比較したところ、12社が年商以上の有利子負債を有する結果となっており、特に「物品賃貸業」「不動産賃貸業・管理業」においては、上位20社にランクインした全ての企業において有利子負債が年商を上回っており、借入れがかさみやすい業種であることがうかがえたといいます。

次に、有利子負債上位20社の安全性を調査するために「現預金回転期間」「借入依存度」「自己資本比率」を分析したところ、「現預金回転期間(現預金÷月商)」では、「楽天グループ」(31.5カ月)、「ソフトバンクグループ」(10.0カ月)、「三菱HCキャピタル」(3.7カ月)、「ソフトバンク」(3.3カ月)、「本田技研工業」(3.0カ月)が上位となり、調査した同社の倒産確率分析(以下、倒産確率分析)において高リスクとなる「1カ月未満」の企業は20社中3社のみだったそうです。

また、「借入依存度(総借入÷総資産×100)」では、業種特性として借入金がかさみやすい物品賃貸業と不動産業に該当する5社を除くと、倒産確率分析において高リスクとなる「50%超」の企業は「関西電力」(50.3%)、「九州電力」(68.1%)の2社のみとなり、ランキング上位企業においては、おおむね高い安全性を保ちながら借入を行っていることがうかがえたといいます。

「自己資本比率」においては、倒産確率分析においてリスクが上昇する「30%未満」の企業は20社中12社あるといいますが、調査した同社は「これらの企業については、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を効かせることで多額の収益獲得につなげているという見方もできるといいます」と説明しています。

また、調査した同社は上場企業の収益力を計る指標として「EBITDA(営業利益と減価償却費を足したもの)」「営業キャッシュフロー」を集計したランキングも公表。

「EBITDA」では「トヨタ自動車」「日本電信電話」「ソニーグループ」「KDDI」「ソフトバンク」が上位となり、「営業キャッシュフロー」では「トヨタ自動車」「日本電信電話」「ソフトバンクグループ」「本田技研工業」「KDDI」が上位となりました。

その結果、借金王ランキング上位20社のうちEBITDAランキングに8社が、また、営業キャッシュフローランキングに12社がランクインしており、借入金と収益力との間に相関性がうかがえる結果になったといいます。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は、借金王ランキングの上位に入った3社「トヨタ自動車」「ソフトバンクグループ」「本田技研工業」について「EBITDAランキングと営業キャッシュフローランキングのいずれにおいても上位6位以内にランクインしています。また、『トヨタ自動車』『本田技研工業』では、分析対象とした現預金回転期間、借入依存度、自己資本比率のすべてにおいて、優良な水準を保持している点、『ソフトバンクグループ』では、自己資本比率が30%未満と低水準でありながらも、月商の10カ月分の現預金を備え、高い支払い能力を有している点で、それぞれ高い安全性を有していることが表れています」と説明。

また、「今後、不透明な経済情勢のため先送りしていた設備投資を再開する企業や、円安の進行によって海外から国内に生産拠点をシフトするための設備投資を実施する企業など、企業における資金調達機会の増加が見込まれる中、上場企業だけでなく中小企業においても、安全性や企業価値を損なうことなく、事業を成長させるための適切な資金調達の方法・金額・タイミングを計っていくことは極めて重要な経営判断と考えられます」とも述べています。

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