大阪府内の美大に通う学生さんが作った紙粘土作品が「天才だ」「フィギュアに白絵具塗ったのかと思った」「神粘土だ」とTikTokで注目を集めています。350万回再生を記録し、14.9万件もの「いいね」を集めたのは、国民的人気アニメ「ONE PIECE」のキャラクター、ポートガス・D・エースの紙粘土フィギュア。大学の授業で作品を作ったという、投稿者の「チョコ秋」さんに話を聞きました。
――授業で作られたそうですが、どんな課題だったのですか?
「人を作る」というシンプルなテーマで、筋肉のつくりを理解できているかがポイントでした。版権物のキャラクターもOKだったので、大好きなワンピースの中で筋肉を表現しやすいキャラを考え、エースを作ることにしました。
――エースのポージングもかっこいいですよね!これは物語のどの場面ですか?
バウンティラッシュというゲームで出てくる絵なので、原作にはないシーンです。どんなポーズにしようかと調べていたらこの絵が出てきて、空間のおさまりが良さそうだったので選びました。
――目が釘付けになる精巧さです。制作時にこだわられたところは?
課題に沿って、筋肉の動きを意識しました!もちろん、エースの再現度にもこだわりましたが、顔を作るのに一番苦戦しました。これまでにも個人的にフィギュア制作はしていましたが、紙粘土で作るのは初めてで。すぐに粘土が固まっていくので本当に時間との戦いでした。
――これまではどんな素材でフィギュア制作をされていたのでしょう。
グレイスカルピーという焼くまで固まらない特殊な粘土を使っていたので、制作時間に余裕があったんです。また、紙粘土に近い石粉粘土というものも使ったことがあるのですが、これとも微妙に硬さが違いました。石粉粘土の方が硬くて造形しやすいです。
――ご自身では納得できていないところもある?
そうですね。エースの顔は納得がいっていないところがありますし、炎のエフェクトや足首の角度とか、惜しかったところはいろいろあります。ただ、初めて紙粘土で作った作品としては割とがんばったので、出来栄えとしては100点満点中80点くらいかなと思います。
――それにしても動画が大反響でした。
たくさんの「いいね」とコメントに感謝です。そして、「すげ~」っていうコメントがたくさんあって嬉しかったです!「中指立てているのかと思った」という声も多かったのですが、これは狙ったのではありません。学校側で用意された芯となる素材の手足部分が異常に長かったので、全体のバランスをとるためにあえて指を長く造形したら、たまたま中指を立てているようになってしまったんです(笑)。
――ちなみに、このエースに色付けされる予定は?
課題としては造形までで、今は作品が学校にあるので色塗りができないんです。ただ、コメントでも「塗ってほしい」という声を多くいただいたので、塗装するならアクリルガッシュとラッカー系塗料を使い、エアブラシでグラデーションをつけてリアル感を出したいですね。
――フィギュア制作を始められたきっかけも教えてください。
高校2年生のときに、同じ学校にフィギュアを作っている子がいて影響されました。作り始めてみると、出来は良くないものの、まだフィギュア化されていないキャラクターを自分で生み出せ、誰よりも早く手に取れることに楽しさを覚えました。将来は、ゲームセンターなどに置いてある商品を作る「フィギュア原型師」になりたいです。
TikTokやYouTubeを通して、様々な自作フィギュアとその制作過程を投稿している「チョコ秋」さん。そのどれもが、思わず目を奪われるクオリティです。
「まだまだ未熟者ですが、どのようにフィギュアができていくかを見ていただけたら嬉しい!それによって、フィギュアを作る人が増えるといいなと思っています」
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