神戸市垂水区の車道脇ののり面の下部に設置された「謎のガードレール」に関する記事を6日付で掲載したところ、神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、新たな謎のガードレール情報が寄せられた。現地に行くと、陸橋の側面に張り付けられている。その正体を調べていると、意外と多様なガードレールの使い道が見えてきた。
同市長田区の男性から「友が丘中学校北側の陸橋にも謎のガードレールがある」と投稿があった。写真を頼りに現地に行くと、橋げたにまるで飾りのようにガードレールが付いている。通常の真っ白よりも、やや灰色がかっている。
「これこそ何の役に立つのか見当もつきません」と男性。友が丘中学校の坂下典生教頭は目を凝らしつつ「言われてみてガードレールだと気付きました。橋を補強しているのか…」と首をかしげた。
通りがかった男性(70)は橋の下の道路に着目し、「車両の高さ制限なんやろか」と推理するも「でも、それならもっと下に付けるやろし」と困惑を見せた。飾りか、補強か、高さ制限か-。管轄する神戸市西部建設事務所を取材した。
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「コンクリートの剥落防止です!」
垂水区の謎のガードレールの取材は有力な説を確定できず消化不良に終わったが、こちらは明快だ。ほっと一安心し、詳しく事情を聞いた。
陸橋の下には片側2車線の道路が走る。昭和52(1977)年の架橋の後、橋のコンクリートが老朽化し、路上に落ちるのを防ぐためにガードレールを取り付けたのだという。古い歩道橋などでもみられる手法だという。
なぜガードレールなのか。担当者は「凹凸があり、通常の鉄板よりコンクリート片を拾いやすい上、あらかじめボルト用の穴が開いていて加工しやすい」と説明する。ただ、最近の工事では、ネットを付けて対応している橋が多いそうだ。
ちなみに、灰色がかっているのは「通常のガードレールは運転手の目に入るよう白く塗装されているが、その必要がないため、塗装されなかったのでは」とのことだった。
身近なようで、実体はあまり知られていないガードレール。頑丈さと手に入りやすさ、応用のしやすさから、多様な用途に使われている。あなたの住む町でも、意外な場所にあるかもしれない。見つけたらぜひ、スクープラボまで一報を。(名倉あかり)
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