キミは「ウラ駒川」を知っているか?…大阪三大商店街の一つ「駒川商店街」周辺には個性的なお店がたくさん

平藤 清刀 平藤 清刀

大阪の繁華街「ミナミ」の路地裏エリアは「裏なんば」と呼ばれ、立ち飲み、うどん、蕎麦、寿司、お好み焼きなど魅力的なお店が軒を連ねている。そんな裏なんばに倣って、大阪三大商店街に数えられる駒川商店街(大阪市東住吉区)の周辺エリアを「ウラ駒川」として活性化を図ろうとするコミュニティがある。ウラ駒川の発起人でセレクトショップシュシュ<shyu shyu du chaleur>店主の濱畑伸之さんに聞いた。

はじめの動機は自店の集客アップ

「はじめは、自分の店にもっとお客様が来てほしいというのが動機です。何か仕掛けるんだったら、周辺にある各店舗がもっているお客さんを紹介しあえる形をつくれたらいいなぁと」

駒川商店街は平日の昼間でもたくさんの買い物客が訪れ、いつも活気にあふれている。ところが表通りから外れたエリアへ足を向けるお客さんは少ない。表通りからわずか十数メートル外れただけで、お店はあっても買い物客が1人も見当たらないこともある。

「そうであれば自分たちが相互に紹介しあって、お客様の共有を図ろうという思いに至ったわけです」

そして2017年7月、Facebookに「ウラ駒川」というページを先につくった。つくってから各店舗をまわって、参加を呼びかけた。

地域の活性化ではなく、あくまで「自店の活性化」を第一の目的に置いているところが特徴だ。

そして、年に一度の周年祭を行うほかは、大々的なイベントはあまり行っていないという。

「バルや100円商店街など、店の利益を下げて一見客や流動客を増やすのではなく、店そのものの良さを前面に出して、地道に固定客を増やすことが狙いです」

もちろん店舗ごとにセールをやるのは自由だが、「ウラ駒川」が結集して大々的にイベントを仕掛けることはない。

「あまりガチガチに繋がり合うイメージではなく、ゆるく進めていけたらと思っています」

イベントを否定するつもりはなくて、合同イベントやフェアは、やりたい店舗でやりたいときに行えばいいという考え方だ。

そういうわけなので、コロナ禍の対応でも、各店舗でそれぞれにやれることをやっていただけという。

息切れしないためには、自分に負担をかけて無理をしてはいけない。だから「手間とコストを掛けない」「店舗から動かずにできる」「細く長く楽しく続けられる」「業務的・金銭的負担の少ないコミュニティ」として活動するという方針を貫いている。

「情報発信のツールをどうするかも考えました。印刷物は、印刷代がかかるし、制作するために時間と労力もかかります。情報を更新するときは、あらためてつくり直さないといけないし」

そこで濱畑さんが目をつけたのがFacebookだったのだ。

「自店のお客様やフェイスブックで繋がっている知り合いなどに、ウラ駒川のページを紹介したり登録したりしてもらって、そこから得た他店の情報を、自店のお客様や知り合いの方に口コミや他のSNSでも紹介します」

スタートから3年、参加店舗は20前後を維持

ウラ駒川に参加している店舗は、濱畑さんのセレクトショップのほか、美容室、書店、スペイン料理、おでん、沖縄居酒屋など業種はさまざま。

「20店舗でスタートして、3年のあいだに移転したり廃業したりしたお店もあれば、新たに参加されたお店もあります。増減の幅は小さく、今も20前後ですね」

その中にはバイオリンの演奏家やヨガの講師など、日ごろの活動とは別に駒川界隈でも活動している個人での参加もあるという。

「各店がさらに骨太で体力ある店舗になるための、ひとつのツールになればいいなと思っています」

この地域にはかつて、全国規模で展開する大手のスーパーマーケットが3社、商店街を包囲するような位置に展開していた。一般的に考えたらシャッター通りになるのは時間の問題かと思われる状況だが、駒川商店街はなんと大手スーパーを3社とも撤退させたのである。

スーパーにも各社それぞれ事情があったのかもしれないが、ウラもオモテもパワーと魅力のあるスポットであることは間違いない。

■ウラ駒川のグループページ https://www.facebook.com/%E3%82%A6%E3%83%A9%E9%A7%92%E5%B7%9D-1782007598690809/

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