「四十物」…この名字、読めますか? 生魚と干物の中間を扱う商家の呼び方が由来 北前船のルート上に分布

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「四十物」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩が日本人の難読名字を紹介します。

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富山県東部を中心に日本海側や北海道にある名字。

生魚と干物の中間のものを「あいもの」といい、こうした「あいもの」を扱う商家は「あいもの屋」と号していた。そして、「あいもの屋」を漢字で「四十物屋」と書いたことに由来する。「あいもの」になぜ「四十物」いう漢字をあてるかについてはいくつかの説があるようだが、当時「あいもの」の種類が40種類あったから、というのが有力。

明治になって戸籍に名字を登録する際、商家では屋号の「屋」を「谷」に変えたり、「屋」を外して登録することが多かった。そのため、「四十物屋」は、「四十物」や「四十物谷」として戸籍に登録した。

また、「四十物」で「あいもの」と読むのなら、「四十」の部分は「あい」だろう、ということで、「四十川」(あいかわ)「四十崎」(あいざき)「四十谷」(あいたに)「四十内」(あいない)といった名字も生まれている。

現在、「四十物」は富山県黒部市と入善町に集中している他、兵庫県や石川県、北海道など、江戸時代の北前船のルート上に分布している。

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