「◯◯大学から来ました、××△△です。よろしくお願いします」。就活シーズン真っ只中。採用面接でよく聞く学生さんの第一声ですが…ちょっと待って!「◯◯大学『から』来ました」の「から」の部分…なんか違和感ありませんか? ある企業の人事担当者から聞いた話なのですが、受験したほとんどの学生の方が、自己紹介の冒頭で「◯◯大学『から』来ました」と話していたそう。日本語にはいろいろな表現があるので、個人的にはそんなに問題もないとも思いますが、みんながみんな「から」「から」と話したからか、とても気になってしまったみたいで…。
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「そうなんや。これまでな、数十人面接したけど、みんながみんな『◯◯大学“から”来ました』って言うんや。なんやおかしいやろ。『から』ってfromやし、『アメリカから来ました』みたいや!」と話すのは、上記の人事担当者。お察しの通り、関西に本社がある企業の方です。
いわれてみればそうですね…。人材派遣でやってきた人の自己紹介みたいにも聞こえますかね。××スタッフから来ました!…みたいな。
ちなみに、この企業の面接の流れはというと…学生のみなさんは一人ずつ順番に面接官のいる部屋に案内されます。ノックして中に入ると、誰もが用意されている椅子の横にまで進み、姿勢を正した後に簡単な自己紹介をするそうです。
「その時、何も指示もしてないのに、みんな『◯◯大学“から”』って言うんや。みんながみんなやから、めっちゃ気になんねん。なんか誰かに教わっているんかなあ。ちゃんとした言葉の使い方かどうかも分からんし」…。
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そこで、関西にある大学の就職担当部門に聞いてみました。
「『◯◯大学から来ました』ですか…。その表現はアウトですね」
―えっ、本当ですか!
「『来ました』ではなく、正しくは『参りました』ですよね」
―いえ、聞きたいのは敬語表現ではなく、接続助詞の使い方です…。
「なるほど…。その言い方は、特に大学で指導をしているわけではありませんが、模擬面接などをすると、ちらほら見かけますね。面接会場の受付などでは『◯◯から』という表現でも問題がないですが、面接中も同じ言葉づかいになるのは課題ですね。受け答えをマニュアルに当てはめすぎているかもしれません」
「今の学生は、なにかひとつの正解があると思っていることが多いですよね。本当は、細かい言葉づかいにこだわるのではなく、自分の思いを伝えていくことが大切なのに…」