売店のスタッフさんにお勧めを聞くと迷わずこの駅弁を選んでくれた。数も最も多く用意され値段も手頃で人気があることが分かる。手に取ると掛け紙に、じゃこ、いなり、わさびと表記されていて3色はこの種類だと分かる。以前にも食べたことがあるが、食べ手を飽きさせない工夫が見て取れて好感が持てたものだ。中身を確認すべくひもを解いてみた。
きつね色の揚げに包まれた長径7センチほどのいなりずしが全部で7個見える。三つ斜めに入っていて開口面が下向きなのがスタンダードのいなり。じゃことわさびは2カンずつで、味の違いが分かるように開口面が上向きで、おいしそうな雰囲気を醸し出している。
まずは1個多く入っているノーマルをほおばる。若干甘さの残るだしに漬け込まれて潤いたっぷりで、かめば口の中に酢飯と油揚げがハーモニーを奏でる。間違いない味に別の種類に箸がのびる。
わさび菜の入ったものはノーマルとは天地が逆で緑色がよく映え別添えの紅ショウガと合わせて彩りがいい。シャキシャキとした歯応えで、ほのかな辛みもあって揚げの甘さを打ち消すおいしさがある。
サンショウちりめんは揚げと甘さの融合ではあるが、ゴマがプチプチとはじけ、香ばしさと相まって、それほどの甘さを感じない仕上がりとなっている。
食べる順番はいつもこうなるが、どれから先に食べてもおいしいのは間違いないだろう。
720円。東海道本線・豊橋駅「壺屋弁当部」☎0532311131