掛け紙においしそうな鶏の照り焼きと辛子明太子(めんたいこ)、鶏めしが写真で紹介され、青字で博多地どり、緑字で桜島どり、赤字で辛子明太子の文字が躍る。九州を代表する名物の競演に期待もアゲアゲ。ふたを取ると桜島どりの照り焼きが中央に鎮座しメインを張っている感じだ。鶏そぼろは、きめの細かい仕上げで、間違いない味が鶏めしの上に広がる。鶏料理が3種類も入り、タイトル通り贅沢(ぜいたく)な駅弁だ。
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桜島どりの照り焼きは、白ゴマが振りかけられて風味がよく、食べるときに一緒に口に入る錦糸卵、きんぴらごぼうとの相性も抜群だ。
鶏そぼろは、下に控えるニンジン、あげと炊き込まれた鶏めしと一緒に食べると、私にとっては甘辛さが抑えられて、ちょうどいい味になる。
おかずは、単独でも鶏めしと共にしても何にでも合う辛子明太子に、ふっくら甘め仕上げの卵焼きと、辛さはなくシャキシャキ感が残る高菜漬け。紅ショウガは彩りよく、箸休めにちょうど良い。
見るだけでなく食べても色々な味で楽しませてくれたかしわめし。鶏めしがたっぷり入っていて、鶏好きにはたまらない一品で、博多駅で何種類も売られている駅弁の中で、今までに私が一番多く買った大好きな駅弁だ。
1000円。鹿児島本線・博多駅「(株)博多松栄軒」TEL092・292・4820