パッケージは白でシンプルだが、「福井の海で育った、幸せな美味しさ」がうたい文句である、金色に輝くふくいサーモンのシールが際立っていて期待が膨らむ。カニやサーモンに加え、みぞれは何かなと想像しながら楽しめるタイトルも食欲をそそる。黒いカニの形をした容器は、かにめしのえんじ色よりも重厚感があって高級感が漂う駅弁だ。
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中身の見えない黒いふたを取る。紅ズワイガニのほぐし身に交じってサーモンのほぐし身、醤油漬けイクラがトッピングされていて、みぞれの正体はイクラだと分かる。赤い色で統一されてボリューム感たっぷりだ。メインの下に敷き詰められた黄色い錦糸卵との色合いもよく、右下には緑のバランに甘酢ショウガがちょこんとのっている。
箸でカニ、サーモン、イクラをぜいたくに口に運ぶとイクラがプチプチとはじけてカニ、サーモンに、ほのかな塩味を追加してくれる。
酢飯の中には白ゴマ、ヒジキ、甘い味付けのカンピョウ、椎茸がもぐっていて、それだけでもおいしいが、魚介類と一緒に食べると得も言われぬハーモニーを奏で、うまさが倍加する感じだ。
全国的に有名なかにめしとは全く違う味で、目も舌も十分に楽しませてくれる駅弁に仕上がっている。
収縮時11センチが倍近くに伸びて18センチになる箸「エコロスティックのびるくん」のアイデアも最高だ。
1280円。北陸本線・福井駅「㈱番匠本店」TEL0776・57・0849