300年前の江戸時代中期、廻船業を営んでいた現米吾の五代目・五左衛門とその妻女が航海の安全と船子の健康に配慮し、船内食として鯖(さば)寿司を持たせたのが吾左衛門鮓(ずし)の始まりだ。そんな歴史を感じる鯖寿司は厚さ1ミリほどの昆布で巻いたものが約1.5センチにカットされて5カン入る。断面は酢飯半分、鯖半分というバランスで、表面は薄い透明のフィルムが巻いてある。保湿効果があってうるおいもバッチリ。鳥取県西部地方ではさまざまなシチュエーションで口に入ることがある名物だ。
フィルムを取り除き縦半分を口に運ぶと、鯖にしみ込んだ酢と砂糖の甘みが絶妙でまろやか。昆布で巻いてあるため型崩れなく、また昆布が主張しすぎないように溶け込んでいる。大きさがちょうどよく食べやすい感じだ。脂の乗った寒鯖の皮下は特にうまい。
別添えの醤油をつけると味が変わってこれまたいい味だ。
鳥取県産米、北海道産の真昆布と寒鯖が三位一体となって口の中に広がり、最高の味に仕上がっているのが実感できる。100グラム当たり塩分は1グラム以下と体にも優しい。
もの足りないと思ったら定番サイズの吾左衛門鮓さばも2100円で販売中。ご飯が硬くならないように冷蔵庫を避けて常温保存で食べるのがお勧めで、消費期限が製造日を含めて3日間と長く、お土産にもピッタリだ。
1200円。山陰本線・倉吉駅「㈱米吾」☎0859261511。米子駅でも販売中。