富山駅「ぶりのすし」2000円

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柴田 直記 柴田 直記

 日本海の荒波にもまれ富山湾に入ってくるブリは「神鳴のブリ起こし」の言い伝えで知れ渡るほど有名で、富山に旅行すると氷見のブリなどをしゃぶしゃぶで食べさせてくれる。昭和32(1957)年に駅弁販売業者の源が「富山のおいしい食材を使った料理で多くの方に富山を知ってもらいたい」との思いで発案し誕生したのが「ぶりのすし」だ。パッケージには青物らしく青色を基調にしたブリの絵がイラストレーターの吉田カツ氏によって描かれている。中には直径約18センチの円形ワッパで高さ2センチ強の容器が入り、竹2本1組を輪ゴムで挟み込んだ押し寿司になっている。

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 輪ゴムを外して圧迫を解くと、緑色したササの葉10枚でブリの脂を閉じ込める感じで包んである。それを1枚ずつ開いていくとササの葉の内側が光り輝き、程よく脂の乗ったブリのうま味が想像できる。

 全て開き終えるとブリの身とカブの透き通る食材から細切れのショウガが見え隠れ。刻み昆布、千切りのニンジンと合わせて全体に散らしてあり色合いが良い。

 ピザと同じように8等分して1片を口に運ぶと、脂の乗ったブリとあっさりとした歯応えの良いカブとが風味よくマッチしてうまい。押し寿司とはいえ合わせ酢が濃すぎないので、素材がより鮮明に味を主張してくる。特にショウガは薬味のような役割で口の中に広がり清涼感が得られる。

 全部食べ切らなくても消費期限が製造から丸二日と長いのもうれしい。

 2000円。北陸新幹線・富山駅「(株)源」TEL076・429・3100。金沢駅、新高岡駅でも販売中

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