<ビッグモーター不正・後編>保険トラブルに巻き込まれないために…契約者ができること 問題の背景にある「情報の非対称性」

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

こうした事態を防ぐために保険契約者ができることは?

「自分の大事な車をプロが適切に修理をしてくれると思っていたら、故意に傷付けられ、結果的に自動車保険の保険料も上がってしまっていた」という事態は、本当にびっくり、かつ、腹立たしいことだと思います。

消費者側がこうしたことを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?

修理に出す前の車の状態をご自身で確認し、写真を撮っておく(大きな事故で入院されている、といった場合は難しいと思いますが…)、修理業者任せにせず、どこをどう修理するのか、それにかかる費用はいくらか、といった見積もりをみせてもらう、といったことが有効だと思います。「ごまかしても、どうせバレない」と思われると、不正を行うインセンティブが大きくなります。

消費者が、ご自身が契約の主体で金銭負担をしているという認識の下、保険という専門的で複雑な制度に関する「情報の非対称性」をできるだけ埋めていくことが、大切と思います。

保険・保険代理業や自動車修理・整備業を担う方々のほとんどは、真面目に誠実に、技術を磨き、顧客のためを思って、日々汗をかかれています。今回の事件で、こうした方々に、広く不信の目が向けられるようになってしまうことになれば、それは本当に残念なことです。

事業に携わる方々は、プロフェッショナルとして誠実に職務に邁進していただく、そして顧客の側も、契約や修理の内容を把握し、事業者の仕事をきちんと評価する、そうして、両者の間の「信頼関係」がきちんと維持されていくことが、社会にとっても望ましいと思います。

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