遺体をわざと腐敗させてメイク代を… ビッグモーターだけじゃない!? 葬儀業界の闇を内部告発した投稿が話題

渡辺 陽 渡辺 陽

ビッグモーターがゴルフボールで車体に傷を付けたり、タイヤをパンクさせたりして修理費を損害保険会社に請求していたとみられる「事件」が問題になっていますが、「葬儀業界も闇」という投稿がSNSで話題になっています。

Twitter(現X)に投稿したのは、佐藤信顕@葬儀葬式ch 日本一の葬祭系Youtuberです」(@satonobuaki)さん。

「ビッグモーターが、壊れてもいない車を壊して修理代を請求していたのは闇だが、葬儀業界の闇がもっと深くて・・・遺体にドライアイスをケチって、腹部とか緑になるまで腐敗させるでしょ、それで顔色変わってしまい、『こりゃぁ、納棺師さんにメイクしてもらわないとダメですね』とかいうところがある」

確かにこんなことを言われたら、「そりゃあ、メイクしてもらわなきゃ」と思うのが人情です。それだけではありません。佐藤信顕さんによると、もっとひどい業者もいるそうです。

「車を壊して、修理代を稼ぐ。遺体を腐敗させて、メイク代を稼ぐ。どちらもやっちゃいけないことだけど、後者の方が罪深いし発覚したときの憎しみや怒りは想像を絶します」

「これはエンバーミング(防腐保存処置)でもやってる業者がいて、わざとドライアイスを少なくして、腐敗させて臭気が出るまでもっていく『エンバーミング』をすると直りますよと言って、30万円ぐらいのエンバーミングを勧めてくる。自分の親から腐敗臭がするのを、そのままにできる遺族はなかなかいない」

ここまでされると震撼としてしまいますが、リプ欄にはさまざまな体験談が綴られていました。

「主人の祖母の葬儀は酷かったです。真冬でしたがドライアイスを少しだけ入れた後は暖房ガンガンの部屋に放置。入浴中の死亡だったので、納棺の時は布団にしみた体液が畳まで沁みて、遺体も溺死のような酷い状態になりました。夜、体液のしみた死臭のする畳に寝ましたがとにかく絶句でした。本当に酷かったです」

「葬儀に訪れた人に出したコーヒー代(紙コップのやつ)請求された時なんて、訪れた人の3倍近くの人数請求をされました。コーヒー代で300円×300人=10万円って、そんなきてねーよ...」

「うちの父は、余命宣言が1ヶ月だったので葬儀社何社かを比較することができました。結局、自宅から1番近い地域密着のところにしましたが、とても親身になってくれました。葬儀って、比較する暇もないからわからないんですよね」

◇  ◇

佐藤信顕さんにお話を聞きました。

ーードライアイスの適正な量や交換の回数の目安はありますか。

「死亡に繋がった病状、個人差などがあるので一概には言えませんが、ドライアイスの適正量は体重の20%~25%ほどを目安にするとよいでしょう。2.5kgのブロックに切り分けられていることが多いので、男性で6ブロックで15kg、女性で4ブロック10kgが目安になります。冷却能力は24時間から36時間程度は保たれているので、概ね1日に1回確認補充します。口頭ではドライアイスの交換と言いますが、正確には確認補充です。温度が4℃以下になると腐敗の進行が著しく落ちるため、4℃以下の環境を保持するようにドライアイスで冷却します」

ーードライアイスが足りないと、お腹から腐敗するのですか。

「消化器官などが腐敗しやすいです。さまざまな酵素や菌の働きで消化を行っているのが消化器官です。生きているときは自分の身体を消化しないように制御されていますが、その機能が死とともに失われます。そのため、お腹は腐敗しやすい部位と言えます。人間の身体は様々な管や孔によって繋がっているので、腐敗は管や孔、隙間にある体液を伝わり全体的に進んでいきますが。顔面は見ることができるので、腐敗の影響が見えやすいのです」

ーー腐敗後の顔の変色をメイクで修正できるのでしょうか。

「顔の変色については、メイクで対処します。人間の目は質感を捉えるので、直すという表現は適切ではなく、あくまで目の錯覚を利用して生前の状態に近づけるということです。メイク代はおおむねの相場ですが3万~6万円程度です。変色や損傷が伴う場合は技術料や管理として割増料金がかかる場合もあります」

ーーエンバーミングを勧める広告もありますが、腐敗した体にもできるのですか。

「エンバーミングは体内の血管から防腐液を浸透させて、遺体を防腐する技術です。ですので、本来は亡くなった時にエンバーミングにするかどうか確認して処置するのが望ましい処置です。防腐液を注入するので、腐敗は止まります。防腐剤は血液や体液を排出して交換されて体内に注入されます。着色したものを使いますので多少血色を取り戻しますが、腐敗は不可逆的なものなので、元に戻すことはできません。エンバーミングした場合にもメイクをするのが一般的です」

ーー なぜ大きな業者ほど、こうした問題が起こりやすいと思われますか。

「単純に性格が悪いのと、モラルが足りないからだと言えればいいのですが、経営陣が現場を把握しておらず、過大なノルマをかけてしまい、そのノルマを達成するためにあり得ないことをしてしまうのが原因と思われます。会社の中でお金より大切なものがあるのが分かっていれば起こらないことなのでしょうが、経営というのがお金を儲けることだという価値観の中では、お金儲けのために信頼を損なうことをして、バレなければいいという雰囲気ができてしまうのは想像に難しくないことです。葬祭業ではお坊さんを紹介してくれという依頼がありますが、そこでもお布施から7割キックバックを取るのが当たり前だと思っている業者もいます。闇は深いです」

ーーこうした被害に遭わないためには、どうしたらいいのでしょうか。

「ネットやCMを見て手軽に決めるのではなく、信用できる人や経験者に聞くのが一番です。社歴の長い地元業者なども、悪いことをし続ければ地元で営業できなくなるのですから、相談してみるといいでしょう。葬儀をしようと思うエリアで話を聞いてみると不安は軽減されると思います。こうしたドライアイスをケチって腐敗させるような業者はまず聞くことがないレベルですが、あってはならないことなので注意喚起をさせていただきました」

◇  ◇

生涯にそう何度も関わることのない葬儀業者。慣れないことなので分かりにくいことも多々ありますが、できたら生前にある程度決めておくと失敗しないで済みそうですね。

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