軽自動車の5人乗りは原則禁止
軽自動車の乗車定員は、車種を問わず4人です。そのため、原則として「5人乗りが可能な軽自動車」は存在しません。
例外的に5人乗車が認められるケースはありますが、これは子どもの乗車人数が多い場合のみです。詳しくは、次の章を確認してください。
軽自動車の5人乗りが禁止な理由
軽自動車で5人乗りが禁止なのは、以下のように安全性の確保が困難だからです。
・シートベルトが最大4人分しかない
・全体重量が重すぎると安全性が下がる
そもそも軽自動車は、規格で乗車定員が4人(スポーツカー等では2人)と定められており、シートベルトが最大4つしかありません。
また、軽自動車は他の車と比べて車重が軽いです。そこに多くの人の体重がかかればアクセルやブレーキの利きが悪くなり、追突や横転の危険が高まります。
Q. 車の乗車定員はどこに書いてある?
車の乗車定員は、その車種のメーカー公式ページ(主要諸元)を見れば分かるほか、車検証でも確認できます。軽自動車の場合、車検証を見るとコペンなど2人乗りの車を除いて乗車定員の項目に「4人」と記載されています。
軽自動車で5人乗りが可能なケース
冒頭でご紹介したように、軽自動車は原則として4人乗りです。ただし、子どもが多く乗る場合のみは、例外として軽自動車でも5人乗りが可能となります。
▽12歳未満の子どもが多い場合のみ可能
軽自動車で5人乗りが可能なケースは、具体的に以下の2通りです。
・大人2人+子ども3人
・大人1人+子ども4人
ここでいう「子ども」とは、12歳未満の幼児または小児です。道路運送車両の保安基準第53条では、12歳未満の子ども3人は大人2人に相当と規定しています。
◇ ◇
(乗車定員及び最大積載量)
「前項の乗車定員は、12歳以上の者の数をもつて表すものとする。この場合において、 12歳以上の者1人は、12歳未満の小児又は幼児1.5人に相当するものとする」
引用元:道路運送車両の保安基準第53条(乗車定員及び最大積載量)
▽チャイルドシートの免除も
6歳未満の子どもの乗車に対しては、原則としてチャイルドシート(幼児用補助装置)の使用が義務付けられています。
しかし、道路交通法では子どもを多く乗せる上でやむを得ない状況において、チャイルドシートの使用義務を免除しています。
◇ ◇
(座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除)
運転者席以外の座席の数以上の数の者を乗車させるため乗車させる幼児の数に等しい数の幼児用補助装置のすべてを固定して用いることができない場合において、当該固定して用いることができない幼児用補助装置の数の幼児を乗車させるとき(法第五十七条第一項本文の規定による乗車人員の制限を超えない場合に限る。)
引用元:道路交通法施行令 第26条3の2
◇ ◇
たとえば、軽自動車の後部座席に6歳未満の子どもを3人乗せる場合、チャイルドシートを3台設置するの困難です。こういったケースでは、チャイルドシートを2台設置する対応でも違反になりません。
▽ただし安全面ではお勧めできない
12歳未満の子どもが3~4人乗るケースであれば、軽自動車の5人乗りは違反になりません。しかし、シートベルトが4つしかない以上、5人乗りは危険です。
シートベルトやチャイルドシートなしで事故に遭えば、子どもの死亡リスクは著しく高まります。できる限り乗車定員とチャイルドシートの使用義務を守りましょう。
チャイルドシートはいつまで必要?年齢・身長の基準と使うべき種類
軽自動車で5人乗りした場合の罰則
12歳未満の子どもが3~4人乗るケース以外で軽自動車に5人で乗車し、警察に見つかった場合は、反則金と違反点数が科されます。
▽反則金:6,000円違反点数:1点
定員オーバーは「定員外乗車違反」にあたり、以下のように違反点数と反則金が科されます。
・反則金6,000円
・違反点数1点
なお、違反点数が1点ついた時点で、次回の免許はブルー免許となります。「軽微な違反1回で、その後数年にわたり違反しなければゴールド免許」という認識は誤りです。
【関連記事】ゴールド免許の取得条件と特典|何年で取れる?違反したら?
▽罰則の対象となるのは運転者
定員外乗車違反で警察に指導された場合、罰則の対象となるのは運転者です。他の大人の乗員までもが罰則の対象となる訳ではありません。
しかし、たとえ乗せてもらう立場であっても違反状態での乗車はやめましょう。
コンパクトな5人乗りおすすめ5車種
大人5人で乗車したい場合は、軽自動車でなく普通車を選ぶしか方法がありません。
ここでは、普通車のなかでもサイズがコンパクトで、且つ車両価格や維持費を抑えやすい車種をご紹介します。
※車種情報は20225年2月14日現在、ガリバー「車カタログ」の情報です。サイズは代表モデルの数値を抽出しています。
①トヨタ「ヤリス」
・新車時価格:150.1万円~269.4万円
・中古車相場:68万円〜318万円
・サイズ:全長3950mm×全幅1695mm×全高1495mm
・WLTC燃費:19.0km/L~36.0km/L
ヤリスは、ガソリン車であれば軽自動車と変わらないような価格で入手できます。燃費もガソリン車でほぼ軽自動車並み、ハイブリッド車なら国産車トップの数値です。
コンパクトカーのなかでもサイズが小さく、運転が苦手な人でも楽に操作できます。また、普通車のなかでは自動車税や自動車重量税も少額です。ただし後部座席が狭く、大人3人が座ると狭いです。
②ホンダ「フィット」
・新車時価格:172万円~264.3万円
・中古車相場:5万円〜592.4万円
・サイズ:全長3995mm×全幅1695mm×全高1540mm
・WLTC燃費:16.0km/L~30.2km/L
フィットは、コンパクトカーでも車内空間が比較的広いです。また、運転席からの視界も広く、運転しやすい車としても定評があります。
ガソリン車であれば、新車でも200万円弱で手に入ります。また、フィットのハイブリッド車は、国産車トップレベルの燃費性能です。中古車の流通台数も多いので、車両価格を抑えたい場合は中古車もチェックしましょう。
③トヨタ「ライズ」
・新車時価格:180.1万円~244.2万円
・中古車相場:108万円〜310万円
・サイズ:全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm
・WLTC燃費:17.4km/L~28.0km/L
ライズは非常にコンパクトなSUVで、全長や全幅はヤリスと殆ど変わりません。それでいて、全高は高く設定されています。そのため、大人3人が後部座席に座る場合も便利です。また、着座位置が高いので視野が広く、初心者でも運転しやすいです。
排気量が小さく、車重が軽めなので税金も比較的少額です。2024年末現在、中古では登録済み未使用車が多く流通しています。
④スズキ「ソリオ」
・新車時価格:164.8万円~229.4万円
・中古車相場:6.8万円〜250.5万円
・サイズ:全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mm
・WLTC燃費:17.8km/L~22.3km/L
コンパクトで、且つ広々とした5人乗りを求めるならソリオがおすすめです。全長や全幅はヤリスより小さい一方、全高はライズを超えています。全幅としては大人3人が座ると少々狭いですが、高さがあるので圧迫感を覚えにくいでしょう。
スライドドア搭載で、子どもや高齢者が乗りやすい点も嬉しいポイントです。なお、ソリオのライバルとしてはトヨタ「ルーミー」(ダイハツ「トール」のOEM車)もあります。
⑤トヨタ「シエンタ」
・新車時価格:199.5万円~323.5万円
・中古車相場:5万円〜423.5万円
・サイズ:全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm
・WLTC燃費:18.3km/L~28.8km/L
大人5人でも快適に乗りたいのであれば、シエンタがおすすめです。コンパクトカーよりはサイズが若干大きいですが、その差はごくわずかです。
スライドドア付きで子どもや高齢者も乗りやすく、さらに7人乗りを選ぶこともできます。ヴォクシーやセレナといったMクラスミニバンに比べて税金が安く、低燃費です。
中古で先代モデルを購入すれば、車両価格も抑えることができます。
ルールを守って運転しよう
車は人の命に係わるものであることから、非常に多くのルールが定められています。
軽い気持ちでした違反が免停につながることも少なくありません。以下の記事も参考に、車のルールを改めて見直しましょう。
◇ ◇
【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!
◇ ◇
【norico編集部おすすめ記事】