閉館する水族館に長蛇の列…最後の思い出づくりに親子連れら訪問、入場制限も 「思い出が詰まっています」「さみしい」

京都新聞社 京都新聞社

 京都府北部唯一の水族館で、今月30日に閉館する宮津市小田宿野の丹後魚っ知館が多くの来館者でにぎわっている。関連グッズの売れ行きも好調で、ゴールデンウイーク中も府内外から訪れた多くの親子連れが水槽を泳ぐ魚を撮影して思い出をつくった。

 同館は、電力事業のPRを目的に、関西電力の石油火力発電所を備えた「宮津エネルギー研究所」=長期停止中=の開業とともに1989年に開館。アザラシやペンギンなど約150種2千匹を飼育している。

 4月29日~5月3日の来館者数は延べ3787人(昨年同期比208人増)。4日は朝から車が長蛇の列をつくり約1時間、駐車待ちの状態になり、同館は入場制限をして来館者増に対応した。3月31日に新しく発売した缶バッジは4月23日に千個が完売し、急きょ3千個を追加発注した。

 親子で訪れた女性(50)=福知山市=は「息子が小さい頃から何度も来て、思い出が詰まっています」とし、京都共栄学園中1年の生徒(12)は「先週も先々週も来ました。閉館はさみしい」と水槽の魚に目を向けていた。

 閉館後はエネルギー研究所と合わせた海沿いの立地を生かし、関電が府や宮津市と連携して最先端技術を持った企業や水産関係の会社の誘致に取り組む。

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