「閑古鳥どこいった」桂浜水族館、GW大行列にうれしい悲鳴「これがッ……ゴールデンウィークの……力……ッッ!!」

金井 かおる 金井 かおる

 ゴールデンウィーク(GW)後半初日の5月3日、高知県の桂浜水族館にできた行列がネット上で話題を呼んでいます。同館公式ツイッターが「これがッ……ゴールデンウィークの……力……ッッ!!」と投稿すると、多くの「いいね」が集まり、「閑古鳥どこいった」「何だかうれしい」「熱いGWになりそうですね」「明日行こうかな」などの応援コメントが寄せられました。同館スタッフらが「日本一ツイッターのフォロワー数と来館者数が比例しない水族館」と公言するほどだったのですがーー。

昨年のGW上回る来館者数…待ち時間は?

 同館公式ツイッターはフォロワー数約25万人を誇る人気アカウント。投稿を担当する「中の人」は同館の公式マスコットキャラクター「おとどちゃん」です。

 4日にも写真を投稿。行列は前日よりも伸び、いいねの数も8万超に。おとどちゃんは「念願叶えるのやめてもろて…泣く……」とうれしい悲鳴を上げました。

 同館広報担当者に話を聞きました。

──ツイッターの行列写真を見て驚きました。

 「開館前から開館直後の様子です。5月3日は約2250人、4日は約2720人が来館されました。通常の土日はだいたい500~600人ほどです」

──GW中の待ち時間は。

 「ツイートの写真のように行列の最後尾にいたとしても、10分、長くて15分程度ではないかと思います。皆さまができるだけスムーズに入場できるよう、随時、チケット売場の体制を変えています。また、待ち時間も楽しんでいただくために、エントランスをにぎやかすPOPの追加掲示も行っております。水族館の前には雄大な太平洋が広がっており、晴れた日は海風がとても気持ちよいので、待ち時間で最高のロケーションを堪能していただけるのではないかと思います」

──来館者が増加した要因は。

 「新型コロナウイルスの感染が落ち着きをみせていることや、桂浜公園内の商業施設のリニューアル、連続テレビ小説『らんまん』の影響もあると思います。最近では高知県の注目度が上がり、当館もテレビやネットで話題にしていただくことが増えたこともひとつの理由ではないかと」

 今年のGWの来館者数は、3日の時点で昨年同時期の最多来館者数2170人を上回りました。5日にアップされた写真にはさらに多くの人が列を作っています。

 「スタッフ皆がこのGWは例年より多くの方が来館されることを期待し、私たちなりに最高のおもてなしができるよう張り切っておりました。しかし、5月3日、4日と、予想を超えるお客様の数に、正直、驚いております。うれしい悲鳴を上げながらも、これにおごらず、より一層気を引き締めて、スタッフ・スイゾク一同、桂浜水族館を明るく元気に盛り上げてまいります!道中気をつけてお越しください!!!!」(同館広報担当者)

 高知県高知市浦戸778桂浜公園内。営業時間は午前9時から午後5時。5月6日までは営業時間を延長して午後6時まで開館(チケット販売終了時間は午後5時半)。年中無休。

「いつか行きたい」を「いつも行きたい」に

 長蛇の列を目の当たりにした公式キャラ「おとどちゃん」はツイッターの中で「念願叶えるのやめてもろて…泣く……」と心の内を明かしました。この裏腹な言葉の真意とは。

 「桂浜水族館は一時、経営難に陥り、閉館の危機にまで至りました。約8年前に現館長が立ち上がり、『マイナスをプラスに』のスタンスで、『なんか変わるで、桂浜水族館』とスローガンを打ち出し、大々的に企業改革を始めました。試行錯誤と切磋琢磨を重ね、徐々にファン層を広げて、ついに念願の年間来館者数10万人を突破してめざせ15万人と意気込んだ矢先の新型コロナウイルス蔓延。当館も創業90年以上の歴史の中で、突如始まった未知のウイルスの脅威に休館を余儀なくされました。

 そうして始まった閉鎖的な日々の中で、桂浜水族館と出会ってくださったたくさんの方から、お手紙やメール、ツイッターでもあたたかなメッセージを受け取りました。『いつか絶対に桂浜水族館に行く』とメッセージをくださっていた方が、『念願叶って来ました!!』と笑顔をくれたとき、自分たちが重ねてきた努力は間違っていなかったと思えたとともに、この浜辺の小さな水族館を大切に思う多くの方の愛の深さを改めて知ることができました。

 ファンの中には、身体的事情や精神的事情を持ち、なかなか現地に来ることができない方もいらっしゃいます。どんな方にとっても、桂浜水族館がひとつの居場所であったり、心の拠り所であれば、冥利に尽きます。『いつか行きたい』が叶ったとき、それを『いつも行きたい』に変えられるよう、私たちは常に、誰かの期待を超え、ひとりでも多くの人の生きる理由になる、そんな努力を重ね続けていきたいと思っております」(広報担当者)

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