額に美しいハートマークがあるニシキゴイが人気 一目見ようと全国から来館、名前は「こころ(心)」に決定

西松 宏 西松 宏

 額に赤いハートマークがあるニシキゴイが注目を集めている。コイがいるのは広島県府中市にある旧料亭旅館「恋しき」。5月1日の公開以来、話題のコイを一目見ようと大勢の人たちが全国から来館。名前を募ったところ119通の応募があり、5月31日、「こころ(心)」に決まった。

 ハートのコイはメスで、現在、体長約20センチ。母家の表玄関ホールに設置された水槽の中で、兄弟のコイ1匹とともに元気に泳いでいる。同館を管理する(一社)府中市観光協会の高尾英里さんは「今年4月、コイを趣味で育てている方から23匹のニシキゴイの寄贈を受け、ハートのコイはその中の1匹です。『非常に珍しいので、たくさんの方に親しんでもらえたら』とのことで、館内で公開させていただくことにしました」と話す。

 5月1日の「鯉の日」(全国養鯉振興協議会が制定)から一般公開を始めたところ、地元メディアなどで取り上げられ、広島県内だけでなく全国から多くの人が訪れている。来館者からは「かわいい!」「ハートのシールを貼ったみたい」「何かいいことあるかも」といった感想や、中には「広島東洋カープのファンなので、すごく元気づけられる」との声も聞かれたという。

 同観光協会ではコイの名前を募集。119通の応募があり、5月31日、審査の結果、「こころ(心)」に決まった。名付け親になったのは府中市、福山市、三次市在住の4歳〜74歳の男女8名。名前には「見ているだけで心がワクワクしたのでこころちゃんにしました」「よく皆に可愛がられるように」などの思いが込められているそうだ。

 「恋しき」は明治時代の1872年に開業した。備後地方を代表する料亭旅館として親しまれ、犬養毅、岸信介、井伏鱒二、吉川英治、田山花袋など、多くの政治家、文化人らが宿泊したことでも知られる。2004年に国登録有形文化財に登録され、府中のシンボル的存在だ。現在はリニュアルし、入館無料で館内を見学できるほか、貸館貸室として会議やイベントなどで利用できる人気のスポットになっている。

 庭園の池には立派なコイが悠々と泳ぐ。「こころ(心)が皆様に愛されてすくすく大きくなり、大勢の方に会いにきていただけるよう、大切に飼育してまいります。今後もしばらくの間、玄関の水槽で飼育し、時期を見て庭園の池に放つ予定です」と高尾さん。「訪れてくれた方々に幸せを招いてくれれば」と願っている。

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