京ことばによる怪談朗読劇で知られる女優、まつむら眞弓さんが手がけた評判のオリジナル作品、新選組異聞「怪談 あかずの井戸」が新選組ゆかりの寺院「壬生寺」で公演される。それも幕末志士などの慰霊供養祭が執り行われる7月16日に開催されるとあって、話題を呼んでいる。主演のまつむら眞弓さんに話を聞いた。
新選組隊士等慰霊供養祭にあわせて7月16日上演
まつむら眞弓さんは東映京都撮影所俳優部所属の女優さん。1980年にテレビ時代劇「暴れん坊将軍」でデビューした。映画は「花戦さ」(2017年)や吉永小百合主演の「北の桜守」(18年)「最高の人生の見つけ方」(19年)などに出演。さらに「科捜研の女」「遺留捜査」「特捜9」など数多くのテレビドラマにも出ている。
そんなまつむらさんがここ十数年、ライフワークとして力を入れているのが京ことばにこだわり、独自の視点で創り上げてきた「怪談朗読劇」だ。2010年に京福電鉄の嵐電車内にて初演以降、東京の泉岳寺や京都の法然院など全国各地で通算33回もの公演を行ってきた。2019年には国内だけでなくアメリカでも公演し、話題に。だが、その後、コロナ禍で発表する場が減ったり、人数制限があったりと「思うような公演ができませんでした」という。
ここに来て、ようやく京都にも人出が戻り、イベントも徐々に復活。そんな中、まつむらさんはかつて評判だったオリジナル作品の一つ、新選組異聞「怪談あかずの井戸」を再演することを決めた。
「どこで公演をしようかと考えていたところ、縁あって新選組ゆかりの壬生寺で公演をさせていただけることになりました。それも新選組や幕末志士の慰霊供養祭が執り行われる7月16日に上演させていただけるので、うれしさは倍増しました」と、まつむらさんは興奮気味に語ってくれた。
京都の壬生寺は991(正暦2)年創建された由緒ある寺で、境内の壬生塚には幕末に活躍した新選組の隊士の墓塔を祀っていることでも知られる。
今回の怪談朗読劇は、まつむらさんが代表を務める「京都もののけかたりの会」が主催。これに後援として「人を結び街を紡ぐ」をコンセプトに京都市内を中心に不動産流通業、建築業、宿泊業、飲食業を行う「レ・コネクション」がタッグを組んだ。
猛暑も吹っ飛ぶ?京ことばの怪談朗読劇にゾクッ!
演目の新選組異聞「怪談 あかずの井戸」は幕末の京都を舞台に、ある呉服問屋で起きた新選組にまつわる悲劇の物語だ。津軽三味線ひびき会主で京都民謡民舞連合会会長でもある川合絃生(げんしょう)さんが奏でる三味線の音色と共に、京ことばで語るまつむらさんの怪談朗読は何とも言えない迫力がある。
この怪談朗読劇を観たことのある人からは「通常の芝居とは違い、朗読なので、自分なりに頭にシーン(映像)を思い浮かべます。想像することで逆に怖さが倍増します」とか「公演は暑さが吹っ飛ぶほど、背筋がゾクッ…とします。毎年、怪談朗読劇を聞かないと、夏が来た気がしない」という声を聞いた。
コロナ禍でこれまでなかなか思うように披露できなかった怪談朗読劇だが、まつむらさんは「京都に来られる観光客の方も増えて来ています。新選組が活躍した時代に思いをはせながら、京情緒あふれるひとときをお楽しみいただければ、幸いです。そして、一人でも多くの人に楽しんでもらえたらうれしい」と話す。
ちなみに、新選組隊士等慰霊供養祭は壬生寺境の阿弥陀堂奥の壬生塚にて7月16日午後1時30分から(30分程度)開催予定だとか。その後に、まつむらさんの怪談朗読劇が披露される。夏のひととき、暑さも吹っ飛ぶ?怪談朗読劇でゾクッとするのも趣きがあるのでは…。
◇新選組異聞「怪談 あかずの井戸」
日時:2022年7月16 日(土)1回目14:30~、2回目16:00~(上演時間は約50分、開場は各回20分前)
会場:壬生寺 塔頭「中院」(京都市中京区壬生梛ノ宮町31)
木戸銭:1500円
定員:各回30名(予約先着順)
申込・問い合わせは電話080-3483-9012、メールa.oishi@re-connection.co.jp(担当:大石)