「台」この名字、読めますか? 文字通り「だい」とは読まない、きわめて難しい読み方があるんです!

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「台」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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文字通り「だい」と読む名字もあるが、他にきわめて難読の読み方がある。それが「うてな」である。

「うてな」は古語で、四方を眺めるために土を積み重ねて作った壇のこと。また、こうした盛り土の上に建てられた建築物のことも「うてな」といい、「台」という漢字をあてた。古代には、漢の孝献帝の子孫と伝える古代豪族に台(うてな)氏があった。

今でも、菩薩の座る蓮の花の台座や、極楽浄土に往生した者が座るという蓮の花の座である蓮台(れんだい)のことを「蓮のうてな」ということがある。しかし、これ以外で使われることはほぼないため、「台」で「うてな」とは読めなくななった。「うてな」という名字は「臺」という漢字を使用することが多いが、これは「台」の旧字体で、意味的な違いはない。

なお、「うてな」と読む名字は東京都と埼玉県に集中しており、この両都県の「台」さんは、「うてな」が4割で「だい」が6割前後。一方、それ以外ではほぼ「だい」と読み、南部藩士の台(だい)家のように、陸奥国稗貫郡台村(現在の岩手県花巻市)という地名由来のものもある。

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