新型コロナの感染が再拡大、まん延防止にいま知りたい疑問に豊田真由子が答える<後編>

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

ワクチンを接種したらマスク無しでよいの?

ワクチンの接種が進んでいくことにより、感染拡大は着実に抑えられていきます。ワクチンは、接種した個人の発症や重症化を抑える(感染それ自体を防ぐかについては議論があります)とともに、接種した人の割合が増えていくことで、社会全体における感染拡大を抑制していきます。

上述したとおり、新型コロナワクチンについては、一部の変異株に対し有効性が低減しているという研究報告もありますが、例えば、mRNAワクチンは変異株に対応して迅速に改良することが可能とされており、いずれにしても、その時点でできることを随時やっていく、ということしかないと思います。

ここで注意すべきことは、ワクチンを接種したらなにもしなくてよい、ということにはすぐにはならない、ということです。イスラエルや英国などは、ワクチン接種が進み、感染者数が減少している(それでもまだ英国では、例えば、飲食店の室内での営業は認められていません。)一方で、チリや米国のように、ワクチン接種が進んでいる一方で、感染が再拡大している国もあり、接種の進捗が途上の段階で、感染対策に対して無防備になってしまうことの危険性が指摘されています。

感染減少・拡大の原因については、それぞれ様々な要因があり、検証が必要ではありますが、いずれにしても、ワクチンを接種しても、当面は、マスク着用・手指消毒、喚起・密を避けるといった感染防止対策が、求められます。

【イスラエル、英国:2021年1月中旬以降、感染者数が減少している】

【チリ、米国:それぞれ2020年12月中旬、2021年3月中旬以降、感染が拡大している】

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