新型コロナの感染が再拡大、まん延防止にいま知りたい疑問に豊田真由子が答える<前編>

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

変異株の特徴は?

急激な感染拡大の大きな要因のひとつは、感染力が強くなった変異株の流行です。

変異株のスクリーニング検査の結果を見ると、急速に従来株が変異株に置き換わっていっており、陽性者のうち、東京都(健康安全研究センターによる調査分)では、3月29日から4月4日の週で、74.1%が変異株(41.8%がE484K、32.3%がN501Y)、大阪府では、3月21日~27日で、66.5%がN501Yの変異株となっています。

このままのペースで感染者が増え続けた場合、関西だけでなく関東や中京圏、沖縄でも5月前半には、ほぼ変異株に置き換わると予想されています。(4月14日厚生労働省アドバイザリーボード)

一口に「変異株」と言っても、変異の仕方によって性質が異なります。ウイルスの変異自体は通常起こることで、新型コロナウイルスの場合、平均して2週間に1回程度のペースで変異しているとされますが、ウイルスのたんぱく質を構成するアミノ酸が変わると性質が変わる場合があります。

現在日本で流行している変異株は主に、感染力が強くなっているといわれる「N501Y」と、ワクチンの効果が弱まっているといわれる「E484K」があります。

(※)「N501Y」と呼ばれる変異は、ウイルス表面にある「スパイクたんぱく質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に置き換わっているという意味
「E484K」と呼ばれる変異は「スパイクたんぱく質」の484番目のアミノ酸がグルタミン酸(略号E)からリシン(略号K)に置き換わっているという意味

英国型の変異株(N501Y)は、感染力、重症化率、致死率ともに、従来型より高くなっているという研究報告があり、また、若い世代でも重症化するケースが出ています。N501Yは、重症化するまでの日数が短く、一方で、症状が落ち着くまでの日数が長くかかる、という報告もあり、体内に侵入・増殖するウイルス量が多くなっている可能性が指摘されています。

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