新型コロナの感染が再拡大、まん延防止にいま知りたい疑問に豊田真由子が答える<後編>

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

各地で新型コロナの感染が再拡大し、4月14日現在、大阪、兵庫、宮城、東京、京都、沖縄の一部地域に、「まん延防止等重点措置」が適用され、愛知、埼玉、神奈川、千葉などにも拡大される予定です。

目次
#1 緊急事態宣言は解除すべきでなかった?
#2 変異株の特徴は?
#3 変異株は子どもにかかりやすくなっている?
#4 国内のワクチン接種の見込みは?
#5 ワクチン接種したら、マスク無しでよいの?
#6 副反応は?
#7 医療ひっ迫の原因は?どうしたら解決する?

ワクチン接種の状況は?

現状の感染拡大状況や、国民の生活への制限や募る不安を解消する有用な手立てがワクチンです。

新型コロナワクチンについて、国内では、先行する医療従事者(約480万人)と並行して、4月12日から高齢者(約3600万人)の接種が始まりました。日本国内の新型コロナワクチンの接種回数は、2021年4月13日時点で、医療従事者など174万3439回(1回目接種114万2444回、2回目接種60万995回)、高齢者2742回となっています。

5月以降は供給量が増える見通し(4月613万人分、5月2150万人分、6月2252万人分(予定))で、高齢者の2回目の接種を6月末までに終了する予定とのことですが、現時点では全量を輸入に頼るしかないので、それ以降の一般の方への接種時期は確実なことは分からないというのが現状です。

日本には、ファイザー製7200万人分、アストラゼネカ製6000万人分、モデルナ製2500万人分が供給されることになっていますが、現時点で承認されているのはファイザー製のものだけで、他は申請が行われ現在審査中です。

ワクチンの接種方法などは各自治体の裁量に任されていますが、国からの供給がないことには、現場の自治体はどうにもできません。多少時間はかかるかもしれませんが、数か月の単位だと思われますので、争奪戦のように煽られることなく、お住まいの自治体から連絡が来たら、速やかに接種をしていただく、ということだと思います。

【人口100人当たりの新型コロナワクチン(総計)接種状況】(Our World in Dataより)

上記グラフから日本を取り出すと、以下のピンク色になります。

日本は他国に比してワクチン接種が遅れているのは事実です。日本で国産ワクチンができない理由は、以前よりご説明しているように、予防接種禍を巡る世論やメディアの動きとそれを受けた政策転換と民間メーカーの衰退という、然るべき歴史的経緯があります。

今後日本のワクチン政策をどうしていくのか、ということについては、改めて広く議論が必要だと思いますが、少なくとも現時点において、ワクチンについて新興感染症のリスクへの備えが全くできていなかったという現実は、その経緯も含め、きちんと受けとめ、次につなげていかないといけないと思います。

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