「犬の散歩をしている人のマナーの悪さが目に余る」。加古川市の自営業男性(55)から神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に意見が寄せられた。犬が苦手で、ときどき不快な目に遭うという。リードなしの散歩やふんの放置は言語道断だが、特に気になるのがオシッコだ。「人間の立ち小便は駄目なのに、犬ならいいのか」と憤るが、確かに一理あるかも…。近年、街中では水を持ち、薄めて歩く飼い主も多い。最新の事情を調べてみた。
男性はジョギングや孫(2)との散歩でよく加古川河川敷に出掛けるといい、「孫はオシッコがかかっていそうな草なども触ろうとするので、目が離せない。犬にもおむつ着用を義務付けてもいいくらいだと思いますよ」と手厳しい。
兵庫県の条例では、ふんの放置は禁止されているが、尿には言及がない。では市町はどうだろうかと、神戸市のホームページ「犬の飼い方・マナー」を見ると、次の一文が出てきた。
「散歩のときは(中略)尿を流すための水を入れたペットボトルなどの用意が必要です」
担当の同市健康局生活衛生課に聞いた。地域団体との意見交換や市民の要望を踏まえ、近年は尿の処理にも注意を呼び掛けているという。担当者は「神戸は尿が染み込まないアスファルトの道が多い。都市部で多い取り組みでは」と説明する。ふん・尿は自宅で済ませるようにしつけることも併せて勧めており、「散歩の目的は犬の運動や気分転換。散歩=トイレではないと啓発したい」とする。
専門家の意見はどうか。ドッグトレーナー歴約25年、「グリーンドッグ スクエア」(同市灘区)の遠藤和義さん(49)も「できれば自宅で済ませた方がいい」と語る。屋内での排せつを好まない犬でも「人がそのまま座るような公園の芝生などは避けて」と話す。
尿を薄める習慣は「ここ15年くらいで広がった」と感じている。「範囲を広げるだけという意見もあるが、それでも、周囲からは『配慮している』と見てもらえる。マナーの悪い飼い主のために、他の飼い主まで冷たい目で見られることがあるので、皆で気を付けたい」と話す。(上杉順子)
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