「食べ物ください」すがるように鳴く小柄な猫 来る日も来る日も同じ場所で助けを求めた 「家族に迎えよう」発見者は心に決めた

松田 義人 松田 義人

夏の暑い日、関西エリアのとある住宅街で「ニャーニャー」というか細い声が聞こえてきました。人間に何かを訴える様子です。

通りがかった人が、か細い声が聞こえるほうを見ると、不安そうな表情の小柄な茶トラの猫さんの姿が。「お腹が空いているのかな」とエサをあげるとすぐにパクパク。やはり「何か食べ物をください」と必死に訴えていたようでした。

その人はいったん立ち去りましたが、気になって翌日に同じ場所を訪れました。すると、やはり「ニャーニャー」と鳴き続ける猫さんの姿が。耳が桜カットされているのでTNR経験がある猫さんのはずですが、仲間とはぐれたのか、自分でエサを探す力がないのか、この場所で通りがかる人に「何か食べ物をください」と訴えるのがやっとの様子でした。

発見者が「家族」として迎え入れることを決意

猫さんを観察すると、来る日も来る日も同じ場所同じ時間帯に「ニャーニャー」と「何か食べ物をください」と訴えていていることもわかってきました。しかし、毎日エサをくれる人が現れるとは限りません。また、猫さんの存在が近隣に知られた場合、嫌がらせを受けるリスクもあります。

最初にこの猫さんを発見した人は、猫のあらゆる困りごとをサポートする会社「ねこから目線。」に連絡。まず猫さんを安全に捕獲してもらった後に、我が家の家族として迎え入れたいと伝えました。

「飼い猫として幸せになってくれるなら本当に嬉しい」と近隣住民

猫さんを思う優しい気持ちに快諾したスタッフは、まずは毎日現れる現場へ。付近にエサを仕込んだ捕獲機を設置し、中に入ってくれることを待ちました。

その間、ちょうど近くで暮らす住民が出てきました。住民によると、「1〜2年ほど前、このエリアのノラ猫さんたちをTNRしてくれたボランティアさんがいた」「外で見守るしかできなかったため、この猫さんがどこかのお家の飼い猫となり幸せになってくれるのなら本当にうれしい」と話してくれました。

こんな話をしている途中で、捕獲機のほうから「カシャン!」という大きな音。猫さんが捕獲機の中に入ってくれ、扉が閉まったのです。

新しいお家にすぐに馴染んでゴロニャーン

無事に捕獲できた猫さんは、先の依頼主である人のお家へ届けられました。

移動中、少し怯えた表情を浮かべていた猫さんを前にスタッフは「外で暮らしていた猫さんなので、飼い猫としての新生活は少し苦労が伴うかも?」と思いました。しかし、依頼主さんのお家に着いてからは、まるで「ここが新しいお家なのね」とリラックス。

長年の外猫生活の間で多くの人にかわいがられていたのか、そして最初に見つけてくれた依頼主さんのことを覚えているからなのか、すぐに堂々と部屋中を探検し始めて、依頼主さんの前ではお腹を見せてゴロニャーンと甘える素振りまで見せてくれました。

「自ら人間を呼び止めエサをねだる」という行動派だったからこそのコミュ術なのかも? そんな風に思い、猫さんを前に目を細める依頼主さんとスタッフでした。

ねこから目線。
https://nekokaramesen.com/

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