「金属に見えぬ…すごい…」道端の草を抜いてきたとしか思えない?…繊細な金工作品に心奪われる!

太田 浩子 太田 浩子

 真鍮や銅などの金属でつくった草花の作品が、人々を驚かせています。道端にはえている姿そのままで、葉の裏には小さな虫がひそんでいそうです。SNSには「本当に本物にしか見えない!」「芸術だ」「えっ…?これが金属? シジミチョウが卵産みにくるわ…」「今引っこ抜いてきましたよ感」と驚きのコメントが集まっています。

 作品をツイートしたのは、鈴木祥太@金属造形作家(@kyoshota)さん。小さな植物の強さと美しさを金属で表現する金工作家です。植物の作品をつくるようになったのは、2010年の東北芸術工科大学の卒業制作がきっかけだそう。「子どもの頃より植物が好きだったのですが、大学に入り金属加工を学び、そのスキルで植物を作ってみたいという欲求が芽生えたので作り出しました」と話します。

 作品を見ると、見過ごしがちな草花の造形の美しさに気づかされて胸がきゅんとします。最初はピカピカの金属の板だったとは、思えない質感。色は金属の上に乗せているのではなく「金属そのものの色を用いるときや、熱を加えたり、溶剤を塗布して金属の化学変化による色彩を用いたりしています」。サビや色の変化については「経年変化は少しずつしていきます。そのため、表面コーティングを施したり、メンテナンスに対応するようにもしています」とのこと。

 鈴木さんの作品の中で、圧倒的な存在感をはなつのがたんぽぽの綿毛の作品です。今にも風に乗って飛んでいきそうなフワフワの綿毛。綿毛の部分は本物よりも、むしろやわらかいそうで、金属とは思えない軽さも感じられてなんとも不思議な気持ちになります。

 また、どの作品にも「裏」がありません。カタバミの作品は、裏返すと根っこがついていて、まさに道端にはえていたものを抜いてきたかのよう! 置いてしまうと見えなくなってしまう部分ですが「すべての作品は360度見て欲しいと思って制作しています。植物そのものだけをモチーフにしているというよりも、自然のある風景を含めて作品にしているので、その時々の植物の姿を作品にしています」といいます。

 鈴木さんの作品は、京都のアトリエのほか、取り扱いギャラリー、展示会で見ることができます。次回の展示は、銀座・和光ホール(東京都中央区)「和光歳時記」の予定です(2020年12月18日~12月27日)。

ShotaSuzuki https://www.shotasuzuki.com/

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