背中にゼンマイネジがついたマスク姿の人形が、空中にとまっているように見えるリングを自在にあやつる動画が話題です。どうやっているの? 目をこらして見ても筆者にはちっともわかりません。
「亀戸大道芸、楽しんできました。この方の芸が観たくて足を運んだ。」とコミヤタカシ(@komi35)さんが動画をツイートしたところ、12.9万を超えるいいね!と4.1万を超えるリツイートがつき、再生回数は162.9万回を超えました。コミヤタカシさんは11月にツイッターでパフォーマーのペストリカ(@PESTRiCA)さんを知り衝撃を受けて、実際に観たいと亀戸に足を運んだそうです。「細かいところまで世界観を確立した容姿と小道具の作り込み、そしてなめらかでいて機械仕掛けのような動きに感動しました。また機会があえば観に行きたいと思います」と実物を見てさらに感動されたようです。
リプ欄には「凄い!技もそうだけど世界観がもう大好き!」や「魔法の類使えそう」、「これは夢中で見てられます!」「不思議な感じします 引き込まれます(笑)」「もはや芸術(*´▽`)素晴らしいですー!生で見てみたい( *゚A゚)」と独特な世界観とリングの動きに引き込まれる人が続出しています。ペストリカさんに聞きました。
──何度見てもどうなっているのかわからないのですが、まずはこの不思議なリングについて教えてもらえませんか?
「エイトリング」は、目の錯覚を利用するパフォーマンスです。ジャグリングの一種で10年ほど前に誕生したのですが、まだあまり知られていない道具ですね。
──なぜ「エイトリング」をつかったパフォーマンスをするようになったのですか?
小学校1年のころ、地元のお祭りでジャグリングを見てから自分でやってみたくなり、中国ゴマを趣味で続けていました。その後、大学でジャグリングサークルに入ったのですが、先輩で「エイトリング」をされる方がいて、室内で練習できる道具が欲しいと思ってやり始めたところそちらがメインになっちゃいました。
──ということは、大学生なんですか?
違います。教員免許も持っていて、高校の世界史の先生になる予定でした。でも、流れというか…エイトリングを学んでいった方が今後に結びつくのではないか、自分自身も楽しいんじゃないかと思い、卒業後にエイトリングをするために上京しました。
──そうなんですね。「ペストリカ」としてのパフォーマンスはいつからされているのですか?
令和がスタートした2019年5月1日から、ペストリカを名乗って活動しています。ペストマスクをかぶって、まだ注目されていない「エイトリング」をつかった新しいジャンルのパフォーマンスを目指しました。
ペストマスクはペストの病原菌から身を守るために中世の医師がつけていたものですが、サブカルチャーでの知名度が高くなっています。ペストマスクは怖いイメージが先行するので、怖く見えないように衣装デザインを工夫しています。個人的に、魔法とかスチームパンクとか、ファンタジーが好きなので、その世界観をアニメやゲームではなく現実の世界に生み出せたらおもしろいなと思ってやっています。
──なるほど! そういうイメージでつくられた世界観なんですね。「エイトリング」の普及もされているのですか?
いろいろな人に「エイトリング」を知ってもらって、ジャグリングといったら「エイトリング」が出るようになればいいなと思っています。自分は、解説動画などを見てブレを改善しながら5年をかけて独学で習得しましたが、エイトリングの発展に貢献できたらいいなと思ってSNSの動画で使い方を紹介したり、エイトリング教室を開いて生徒さんに教えたりしています。
ペストリカさんのツイッターでは、エイトリングの基礎的な回し方などのテクニックが紹介されています。
■ペストリカ https://twitter.com/PESTRiCA
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ペストリカさんのパフォーマンスが観られるイベントの予定です。
■2月2日(日)お台場デックス東京ビーチ 3階センターデッキにてストリートパフォーマンス https://www.odaiba-decks.com/
■2月22日(土)浅草花やしき「ハロウヰン妖夜祭」 https://www.youmise.info/halo2019
■2月23日(日)亀戸大道芸 ホコ天レトロフューチャー https://www.kameidodaidogei.com/
■4月25日(土)・26日(日)大阪市立西成区民センター「アリスと歯車5」https://alice-and-gears.amebaownd.com