誕生日。
生まれた日であり、それをお祝いする日。
会ったばかりの人でも、誕生日を迎えたと分かれば誰もが「誕生日おめでとう」とお祝いしてくれるし、嬉しくなる。言葉だけでも良いけど、やっぱり、ささやかでもプレゼントやご馳走、ケーキがあればより最高の一日になる。
プレゼントといえば「宝石」や「花」、そして「カクテル」まで、誕生日にまつわるアイテムがあるが、そんな素敵なアイテムの中に、どうやら「味噌汁」が加わっているらしい。
仕掛けたのはフンドーキン醬油。九州にある、醤油と味噌の老舗メーカーだという。
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さっそく、フンドーキン醬油の公式サイトを訪れてみると、「365杯の味噌汁」というコンテンツがある。
「あれ…?誕生日じゃない??」と思いながらよく見てみると…確かに、確実に、本当に「誕生日の味噌汁」という言葉がある。
しかも、誕生日の味噌汁が検索できるようになっている!
こんなものを見たら自分の誕生日を検索してみたくなるもの。迷わず2月21日の味噌汁を検索してみる、と…「たらのじゃっぱ風味噌汁」と出てきた。
▼2月21日の味噌汁「たらのじゃっぱ風味噌汁」
美味しそう。じゃっぱ汁とは青森県津軽地方の郷土料理らしく、たらなどのアラを使った汁物だとか。それをアレンジしているらしい。思わぬところで青森の郷土料理を知ることができるのも良い。
他にも調べてみると、日本古来の伝統を味わえるような味噌汁もある。さすが醤油と味噌のメーカー。
例えば、節句の味噌汁は…
▼1月7日の味噌汁「七草味噌汁」
▼3月3日の味噌汁「生湯葉とはまぐりの味噌汁」
▼5月5日の味噌汁「お子様味噌汁」
七草の節句や桃の節句の味噌汁は納得の一品、でも5月5日の端午の節句の味噌汁は具がちょっと衝撃的。「こどもの日」なんだけれどミートボールを使った味噌汁とは…。材料にミートボールは市販品を使うとあるので難しいレシピではないうえに、それが味噌汁にも合うと記載されているところが興味をそそるけど。子どものころにお弁当に入っていたミートボールを思い出させる味噌汁だ。大人になって食べることがなくなったから、作ってみると懐かしさも感じられて良いかもしれない。
他にも、南瓜を食べたり柚子湯に入ったりする冬至の風習を意識した味噌汁やフンドーキン醬油のご当地・九州などで古くから伝わる味噌汁もラインナップされている。ユニークなのが、イタリアン風や中華風、さらにはバレンタインやハロウィンの味噌汁があること。
▼2月14日の味噌汁「聖なる白い味噌汁」
▼10月31日の味噌汁「ハロウィン味噌汁」
ここまでくると遊び心も感じられるし、毎日、味噌汁を飲んで欲しいという願いと味噌汁の概念にとらわれずに味噌の魅力を発信しようとするフンドーキン醬油の思いも伝わってくる。
ということは、クリスマスの味噌汁もあるはず。
▼12月24日の味噌汁「鶏とうずまき麩の味噌汁」
▼12月25日の味噌汁「大根と鶏肉の赤だしの味噌汁」
クリスマスイブは星形に飾り切りした野菜がポイントの鶏肉を使った味噌汁、クリスマスはサンタクロースの「赤」をイメージしているのか赤だしのこちらも鶏肉を使った味噌汁になっている。
まって、クリスマスって…イエス・キリストの生誕を祝う日のはず。日本の伝統的な和食の味噌汁が、キリストのお祝いに結びつくなんて!?味噌汁でこんな遊び方もできるとは、このサイト、面白い!
このコンテンツは、2010年に出版した「365杯の味噌汁」が元になっているというが、誕生日を組み合わせただけで、こんなにも味噌汁が楽しいものになるとは、フンドーキン醬油のアイデア、サイコーです。
(まいどなニュース/神戸新聞・上野 明子)