背中に大きな傷負った子猫、発見したのは先住猫だった!「どうか生きて…」先住猫も懸命ケア

梨木 香奈 梨木 香奈

人間も動物も、出会いは突然やってくるもの。どんなに予想外の場所にいても、結ばれるべき縁は必ず訪れると、多くの人が感じているのではないでしょうか。元保護猫の男の子「リオくん」と、飼い主のXユーザー・めかりんまるさん(@kijishiroMARU)も、そんな運命的な出会いを果たしました。飼い主さんにとって、まさに「想定外」だったというリオくんとの物語を振り返ります。

まるくんが連れてきた、小さな命

リオくんとの出会いは、2019年5月初旬。きっかけは、先住の元保護猫「まるくん」でした。まるくんはハーネスを装着して散歩する訓練を終え、今では日々のルーティンとして飼い主さんと一緒に散歩に出かけています。その日、飼い主さんの夫と散歩中に、まるくんがリオくんを見つけました。

「まるが突然、隣の敷地に入り、戻ってくると足元に小さな子猫が…。それがリオだったんです。夫は子猫を連れて帰ってきました。私が仕事を終えて帰宅すると、そこには小さなリオが。『連れてきたからには迎え入れるしかない』と思いました」

飼い主さんは、病院へ連れて行く前にリオくんの体をチェックしました。すると、背中にふたつ、大きな傷が…。

「おそらく、母猫に連れられて場所を移動している途中で、カラスに狙われて突かれてしまったのではないかと思います。ちょうどそこへまるが現れ、リオをくわえて連れてきたのではないかと…。父性が働いて助けたのかもしれません。そうであったらいいなと、家族で話しています」

当時、リオくんは生後2週間ほど。飼い主さん家族の一員となりました。

子猫の“育児”に試行錯誤、猫中心の生活に変化

リオくんをお迎えしてから、飼い主さん夫婦は慌ただしい日々を過ごすことに。片手に乗るほど小さな子猫を育てるのは初めてだったため、病院でアドバイスを受けながらとはいえ、試行錯誤の日々だったといいます。

「傷の手当て、シリンジでのミルク、オシッコをさせるための刺激など、夫とふたりで奮闘しました。そして、『どうか生きていてくれますように』と祈りながら、毎朝、生存確認をしたのを覚えています。リオの命を救ったまるは、少々戸惑っている様子でしたが、懸命にお世話をしてくれました。排尿などを促すために舐めたり、一緒に眠ったり…。まるに助けられました」

まるくんと飼い主さん家族の手厚いケアを受けて、リオくんはすくすくと成長しました。そして、飼い主さん家族の暮らしにも変化があったといいます。

「外出しても『早く帰りたい』と思うようになったのです。旅行に出かけても、まるとリオのことが気になり、予定を早めに切り上げて帰るように。すっかり“猫ファースト”の生活になりました」

ふたりは、飼い主さん家族にとってかけがえのない存在になったのです。

立派に成長したリオくんと恩人まるくんとともに

リオくんは、現在6歳を迎えました。小さく儚げだった子猫は、たくましく凛々しい“イケニャン”になったのです。

「リオはおとなしく、とてもビビリ。ところが、まるに対しては態度が大きくなります(笑)。取っ組み合いのケンカは日常茶飯事。しつこくされるのは苦手なようで、まるが長々と毛づくろいをすると、いつも怒ってケンカになります」

保護した当初は「この子は本当に生きていけるのだろうか」と心配でたまらなかったと振り返る飼い主さん。元気に成長したリオくんを見つめる目は、温かく愛情に満ちています。

「背中の傷も今ではすっかりきれいに治りました。小さな体であれほどの傷を負って、よく生きていてくれたと思います。今ではやんちゃになり、まるにちょっかいを出しては叱られる日々(笑)。それでも、まるの優しさに包まれながら、本当のお父さんのように慕っています」

まるくんが散歩を日課にしていなければ、リオくんと出会うことはなかったでしょう。ふたりが出会ったのは「奇跡のようだった」と飼い主さんは振り返ります。

「我が家へ来てくれたことが、何よりの幸せ。これからも仲良く、元気に過ごしてほしいです。そのために、私たち家族も、ずっとふたりを見守っていきます」

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