エイプリルフールにも「正義中毒」 来年は他愛もない、プッと笑えるウソが増えますように

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 今年もエイプリルフールのいろんなウソが話題になりました。調べてみると、日本には大正時代に入ってきたようです。ネタばらしは絶対その日のうちにする、とかウソをついてもいいのは午前中、ウソをつかれてもつき返してはいけない、などなど細かいローカルルールもたくさんあるらしい。

 だまされた時に笑って許せるような他愛もないウソで、その日を笑って終わるというのがもともとの姿。今年もカルピスのミストが出るサウナができました、とかマルタイの棒ラーメンが球体になって発売されました、などプッと笑えるウソがたくさんありました。日本郵政では去年発表した顔の「ゆうパック」の反響が大きすぎて、何と今年は実際に製品化。都内10カ所の郵便局で、荷物の「ゆうパック」を窓口に持ち込んだ人に配布すると1日に発表しています。

 メディアが取り上げるようになったこともあり、最近では各企業が広報活動の一環として競うようにエイプリルフールのウソを発表していますが、そうする事によって広報担当者のセンスで社を背負わないといけない。エイプリルフールの本来の意味が変わってきているのではないかと思います。

 大手弁当チェーン店が「全店舗でライスの販売を停止します」と発表したところ、コメ不足の時にそんなことを言うなと苦言が呈され、会社側が謝罪するという炎上騒ぎもありました。会社代表のウソの結婚情報で厳しい声を集めた一件もありました。

 笑えないウソが多くなってきているなーというのが今年の感想ですが、受け取る側にも「許せない」「けしからん」と捉える声が増えたようで、なんだか世の中全体に余裕がなくなってきているのを感じます。脳科学者の中野(信子)先生がおっしゃっていたのですが、最近は「正義中毒」が横行していると。日本人全体というか、SNSの流れで「正義中毒」になってきているのは、本当にそうだなあと感じます。そしてそれがエイプリルフールにも出てきていることが、すごく悲しい気持ちになります。

 来年のエイプリルフールは午前中にウソをついたりつかれたりして、午後になってあー、だまされた!と笑えるような、面白いエイプリルフールに戻ってほしいですし、戻るべきじゃないかと思うのですが。

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