今からでも間に合うラグビー関連銘柄 テレビ観戦、バイト不足など鍵か

山本 学 山本 学

 各種の報道などで「バイト不足と駐車場の値上がり」がW杯の開幕以降に顕在化したと指摘されている。警備会社は恩恵を受けると思われたが、アルバイトの警備要員が想定通りに集まらず、バイト代を引き上げる方向になっているのだという。だとすると恩恵を受けるのは警備会社ではなく、人材募集広告と考えられる。「タウンワーク」のリクルートホールディングス(6098)、「an」のパーソルホールディングス(2181)、「バイトル」のディップ(2379)などが当てはまりそうだ。

 ラグビー観戦はビールを飲むのに大丈夫かと余計な心配もしてしまうが、駐車場の料金が値上がりしているのは、ラグビー場は「駅前」というケースが野球場などに比べて少ないという事情があるようだ。相対的に割安な駐車場のシェアリングサービスで価格が急上昇しているという。となるとコインパーキングのパーク24(4666)や、月極め以外に時間貸しも手がける日本駐車場開発(2353)などの利用も、増えている可能性がある。

 一方、ラグビー人気が続けば恩恵を受ける銘柄の筆頭格は、やはりスカパーJSATホールディングス(9412)だろう。傘下のチャンネルである「J SPORTS(ジェイ・スポーツ)」では、今回のラグビーW杯日本大会の試合を放送しているだけでなく、普段から世界のラグビーを中継している。海外のサッカーファンが増えた際と同様に、ニュージーランド代表など強豪の国際試合や、英仏などのプロリーグの試合を見たいとなれば、加入者は増えそうだ。

 ラグビーに特徴的な施設といえばラグビーゴールだ。ルール上は幅5.6メートル、高さ3.4メートル以上ということになっているが、国際的な試合では17メートル程度と高いゴールを使う。ラグビーの競技人口が増えれば、学校や公園で整備も進むだろう。主要なスタジアムに納入しているのは非上場の会社が目立つが、上場会社関連では昭和電工(4004)傘下の昭和電工アルミ販売が、旗のポール、野球場のファウルポールとともにラグビーゴールを扱っている。

 ファンゾーンのパブリックビューイングに多くの観客を集めたというのも今回の大会の特徴だろう。ずいぶん定着してきたが、今後さらに屋外のパブリックビューイングが盛んになるのだとすれば、ヒビノ(2469)が恩恵を受けそうだ。200インチといった大型のディスプレーを自動車に搭載し、素早くパブリックビューイングのための画面と音響設備を組み立てるノウハウを持つ。スポーツ大会の人気が高まれば、サービスを提供する機会が増える公算だ。

 規律や自己犠牲の精神は日本人のマインドを刺激しやすく、ラグビーは日本では人気スポーツになりやすいという見方もあるそうだ。ただW杯での優勝を機に女子サッカー「なでしこリーグ」が盛り上がった経緯を振り返っても、やはりラグビー人気の長続きには、日本代表の好成績は欠かせない。こんなことを言うのは無粋の極みかもしれないが、それでも日本経済のために、がんばれニッポン。

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