今シカ見られない!赤ちゃん鹿が大集合 奈良で癒される前に知っておきたいこと

鹿谷 亜希子 鹿谷 亜希子

 「ここ数年観光客が増え、ゴミを捨てたり、人の食べるものをあげたりというトラブルもずいぶん増えています。公園内で出産する鹿もいますが、赤ちゃん鹿に人のにおいがつくと、お母さん鹿が子育てを放棄してしまうことがあるので、子鹿をみつけても絶対に触らないでほしい」と言うのは、同会事業課の宇津木謙一さん。

 ビニール袋が胃にいっぱい詰まった鹿が衰弱死するなどの例もあるという。偶蹄目(ウシ目)の鹿は、草やどんぐりが大好きな草食動物。上アゴに前歯はなく、下アゴの前歯と硬く発達した上アゴの歯茎で草などを引きちぎるように噛み切って食べるため、一度口にしてしまったものは、引っ張って取り返そうと思っても至難の業だ。食べ物のにおいのついたビニール袋などは、ポイ捨てせずしっかり手に持っていても鹿に狙われやすい。結果的に死に追いやることもあるため、カバンにしっかりしまっておくのがベストだ。

 とびきりかわいい子鹿たちは、7月下旬頃にはお母さん鹿と一緒に奈良公園に放たれる。鹿苑は、6月の子鹿公開や10月の鹿の角きりの季節以外も公開されており、鹿の生態や歴史、愛護会の活動を紹介したパネル展示コーナーのほか、間近で鹿にドングリをあげられる保護エリアもある。

 なお「奈良のシカ」はれっきとした野生動物。今年無事に生まれた子鹿たちが、これからもすくすくと元気に育つよう、公園内でも鹿の生態を知った上で鹿とのコミュニケーションを楽しみたい。

▼子鹿公開 月曜を除く6月中に開催、時間は11時から14時(入場13時30分まで)。入場料一般300円、高校生以下無料。小雨決行・荒天中止※子鹿の体調等を考慮して中止の場合あり

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