「さくら耳」猫の秘密 実はある目印…2万匹超の子猫殺処分を減らすために

渡辺 陽 渡辺 陽
右耳が「さくら耳」になっている猫
右耳が「さくら耳」になっている猫

 なかには、こうした地域猫活動に眉をひそめる人もいます。「こういう人がいるから野良猫が減らないのだ」と。しかし、そうした冷たい視線を向けられると、真夜中に秘かにエサをバラマキにくる人が出てきます。ペットとして飼うでもなく、不妊手術をするでもなく、エサや水の入れ物は放ったらかし。管理されていない野良猫の数はどんどん増えていき、糞尿の臭いや食べ残したフードや容器も放置され、ゴミと化してしまいます。こうなってしまうと悪循環。猫にエサをやる人と、猫が嫌いな住民の溝が深まってしまいます。

 ただ単にエサや水を与えるだけではない。人が野良猫たちをきちんと管理することで、猫と人が共生できる町づくりができる地域猫活動。猫に限らず、犬や鳥など、動物が暮らしやすい町は、人も暮らしやすいのではないでしょうか。

◆橋本恵莉子(はしもと・えりこ)Happy Tabby Clinic院長。大阪府立大学農学部獣医学科卒業。2017年度不妊手術数…約1500匹。大阪ねこの会の一斉不妊手術に参加。保護猫シェルターにて感染症対策セミナー講演、松原市役所にて市民向け地域猫セミナー講演するなど精力的に活動。

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