例えば祖母がトイレで尿をする方向を間違えて失敗し、「ああ、もういや、いや」と混乱している時。筆者がごまかそうと「そういう時もあるって。しゃあないねん、年齢やねんから」と言うと、祖母は「あんた、私のことを馬鹿にしてるやろ。私を歳やと思って、負けへんからなあ」と手を私の方向にグーにし、笑いながら返してくる。
「トイレぐらい自分でできへんのか。何回も同じ失敗して」とついイライラし気持ちを抑えているときもあるが、まるで見透かされているかのようだ。「ばあちゃん、何してんねん」と、気軽に笑いながら言える方が「対等」な関係と言えるのかもしれないなと…。
そのほかのエピソードも、尚と真司の「どんな困難があっても好き」という愛や絆の深さに感情移入してしまうとともに、6年間介護を経験していてもまだまだ考えさせられる部分が多々あった。それはきっとこのドラマが真正面からアルツハイマーと向き合っているからだろう。祖母との介護生活を思い出しながら、残りの放送回を楽しみたいと思う。