認知症の祖母の様子を、今年はじめから「生配信」している。生配信とは、テレビの生中継のように、リアルタイムで動画をネットに流すことだ。筆者は30歳過ぎから6年間在宅介護をしてきた経験を、SNSやブログで発信しているが、より詳細な内容を伝えたいと考え、生配信に踏み切った。若くして一人で介護をしているような、同じような境遇の人たちに、少しでも役に立つ情報を伝えたいと思ったためだ。しかし、症状が進んでしまった祖母は生配信をされていることをどこまで理解できているのだろう。本当に良いのか、葛藤を抱えながら続けている。
祖母は現在87歳。アルツハイマー型の認知症を6年前に発症した。先月末に、日常生活がほぼ全てできない状態になったため施設へ入所したが、それまで在宅で介護してきた。介護が始まったころは、頼れそうな家族も病気をしたり、祖母と仲が悪かったりして手伝ってもらえず、3年ほどはずっと筆者一人でみていた。
このような状況で、ツイッターやブログで在宅介護や認知症のことを書いていたところ、「20代から40代ぐらいで在宅介護をしている人たちのために、何か少しでも役に立ちたい」との思いが強くなり、ライターとして活動するようになった。
これまで書いてきたことは「服薬管理」「入居施設の探し方」「介護する側が在宅介護を限界と感じる心情」など。行き先を知らせず出かけようとすることが増えてきた祖母に、付き添ったり、その後の様子をみたりしていて気がついた「祖母が徘徊する理由」をコラムにまとめたこともある。
介護の体験談への反響の大きさを感じていくうち、動画での生配信を思いついた。筆者はニコニコ生放送で5年ほどライブ配信をしてきた経験もあり、撮影に抵抗感が少なかったというのもあった。これまでに生配信した件数は約100件。特に下記2回の内容が記憶に残っている。