認知症の祖母が寝たきりから復活 実感した医者や病院の選び方の大切さ

祖母の車いすを押す
祖母の車いすを押す

 30歳過ぎから認知症の祖母を6年ほど介護してきましたが、症状の進行とともに在宅でみるのが難しくなり、2018年11月末、87歳になる祖母の老人健康保健施設(老健)への入所を決めました。入所すぐにほかの利用者に暴言を吐くなどの粗暴行為が見られ、薬を多量に処方されて寝たきりになりましたが、その後精神病院に転院すると、祖母は急性期病棟で奇跡的に復活しました。その背景には、薬を極力使用せずADL(日常生活動作)を維持しようとする医者や病院との出会いがありました。認知症の医者や病院の選び方の参考になればと思います。

■薬を多量も処方され…寝たきりに

 祖母の老健での粗暴行為は入所2日目に発現しました。入所者が集まりテレビをみたり食事を食べたりするデイルームという場所がありますが、祖母はデイルームで利用者に対し「あんた何ボーッっとしてんの、仕事しないなら出て行きなさい」と怒り、食器を数枚投げつけました。さらに、夜間から早朝にかけて急に「ここはどこなの?私を帰らせて」と大声で泣き、看護師が「大丈夫、大丈夫」と説得しましたがおさまりません。これらの行為が連日続き、筆者は老健の主治医から「ほかの利用者に迷惑です。認知症が進行しているので、精神病院で治療してください」と告げられました。そして、抗認知症薬、3種類の精神安定剤、2種類の睡眠薬、鎮静剤の投与も始まりました。

 翌日心配だったので面会へ行くと、1点をみつめ、口をぼーっと空けた祖母がいました。筆者は急いで老健のケアマネージャー、役所、地域包括センター、在宅介護時にお世話になったケアマネージャーと相談し、ある精神病院へ面会・見学へ行ったのです。

■祖母への思いを汲み取ってくれた医者と病院

 精神病院へ行くと主治医から「ご家族様が望まれる治療方針を聞かせてください」と聞かれたので、筆者は「無理は承知ですが、極力薬を使用しない治療を希望しています」と答えました。すると、主治医は「私も薬を多く使うのは疑問を持っています」と言ってくれたので、筆者は「家で祖母をみていて、薬を使ってない時が一番人間らしい姿と思いまして」と祖母への思いをストレートに伝えてみました。

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