近年、百貨店で見かけなくなった「ぜいたくで特別感がある」おもてなし…年末年始など繁忙期には残っていた!

山陽新聞社 山陽新聞社

 「上へ参ります」。かつて百貨店に行けば、穏やかな笑顔と上品な物腰で買い物客を歓迎し、希望階へ案内してくれる「エレベーターガール」がいた。近年は全国的に数を減らし、日本百貨店協会に加盟している中四国の20店舗では常設ゼロ。ただ、天満屋岡山店(岡山市北区表町)などでは、繁忙期のみエレベーター案内係として“復活”した姿を見ることができる。

 同店は1927年、岡山県内で初のエレベーターを導入。操作に特別な技術が必要だったため、客の安全のために案内係を置いていた。しかし、客が自分で希望階のボタンを押せるようになり、次第に案内することはなくなった。

 現在は総合案内所に統合され、同所勤務の6人がエレベーターも担当する仕組み。出番は年末年始や夏休みなどに限られるが、「お客様一人一人に寄り添ったご案内をするため」(同店広報担当)廃止はしなかった。客のニーズに臨機応変に対応できるほか、車いすやベビーカーの利用者、高齢者に手助けもできるという。

 案内係歴9年の女性は「百貨店ならではのおもてなし。きめ細かなサービスを維持するためにも残していきたい」とする。エレベーターで案内してもらった女性(71)=岡山市=は「家族で来た昔を思い出して懐かしくなった。なにもかも自動化される今、人に案内してもらえるのはぜいたくで特別感がある」と満足そう。

 岡山県内では同店のほか、岡山高島屋(同本町)でも初売り日などで出番がある。

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