戸建ての「宅配ボックス」で笑えぬ悲劇 「義母が作りすぎたおかずを入れる」「お隣さんが勝手に置き配指定」 

中瀬 えみ 中瀬 えみ

物流業界の担い手不足解消に一役買っている、個人宅に設置できる「宅配ボックス」。大きさや機能もバリエーションが増え、新築戸建てに導入するご家庭も増えました。

留守対応だけでなく、日中の忙しいタイミングやインターホンの音量を切りたい状況にも役に立つ宅配ボックスですが、残念ながら普及した分トラブルも増えているようです。

衛生的にも心配!だけど…

Aさん(関東在住、40代、パート)が宅配ボックスを設置したきっかけは、下の子どもの小学校入学のタイミングで始めた事務職パートでした。

「1日の勤務時間は6時間程度で短いけれど、月曜日から金曜日まで5日間勤務。これまでのように宅配便を日中に受け取るのが難しい。子どもが一人で留守番をしているときに業者さんが来ても、玄関ドアを開けさせるのは抵抗があるから…」とAさん。大き目の段ボール箱がしっかり入るサイズの宅配ボックスを設置したそうです。

思った通りいつでも荷物を受け取ることができて便利なのですが、戸惑っていることがひとつ。徒歩15分程度に住む義母が、頂きものの果物や作りすぎたおかず、子どもが好きな駄菓子などを宅配ボックスに入れていくそうで…。しかもこっそりと。数日後に「どう?あのイチゴ美味しかったでしょ?」とLINEが来て知ることもあり、負担に感じることも。

「私が働き始めたことで、少しでも手助けしようと思ってしてくれていると思うと、荷物が入らないし衛生的にも心配なのでやめてくださいとも言えなくて。リスが食べ物を隠して貯めてるみたいね、って娘に言われて笑っちゃいました」

Aさん一家では笑い話ですが「距離を取りたい相手」に勝手に入れられてしまう可能性を考えると、大変そうです…。

いちばん受け取りたい荷物だけが入らない

映画が見たくて某大手通販のサービスに会員登録したBさん(関西在住、50代、主婦)。いつも週末にスーパーで買いだめしていたお米、洗剤に調味料など、数々の重いアイテムが定期配達できることを知り、買い物が楽になる!とアレコレ登録したそうです。

ちょうどその少し前に、後付けの宅配ボックスがあることをテレビで知り、これは便利!と思って取り付けたところでした。充実のネット通販生活の始まりに、胸を踊らせるBさん。ところが、思わぬところでつまづきます。

ほとんどの荷物は問題なく宅配ボックスに入るのですが、唯一入りきらず、宅配業者さんに呼び出しをされてしまうのが、ペットボトルのミネラルウォーターが入った段ボール箱。

宅配ボックスに届いた荷物は夫が家に運び入れてくれるのですが、一番重たくて大変なミネラルウォーターの箱だけ、自分で受け取ることになってしまいました。

「こんなにネット通販するようになるってわかっていたら、もう一つ大きなサイズの宅配ボックスにしていたのに。普通の郵便ポストの延長感覚でした。宅配ボックスに関しては『大は小を兼ねる』だと思います!」

生活スタイルが変わると必要性も変わるアイテムだけに「いつでも」わが家にピッタリの宅配ボックス選びは難しいのかもしれません。

勝手に置き配指定をされてしまう

Cさん(関東在住、30代、主婦)は新築戸建てのエクステリアを発注するタイミングで宅配ボックスを設置しました。

とはいえ子どもの子育てのために離職して在宅中なことが多く、宅配ボックスを活用する機会はあまりなかったそうです。

そんな「空いている宅配ボックス」に目をつけたのはお隣に住む奥さん。

最初のきっかけは単なる宅配業者のミスでした。Cさんが宅配ボックスを開けてみたところ、お隣さんの荷物が入っており、「間違ってうちに届いていましたよ」と直接届けたことがありました。しかしその親切心がアダになってしまいます。

外出が多く不在票を受け取ることが多かったらしいお隣さん。「Cさんのお家の宅配ボックス、あまり使っていないようだし…ウチの荷物も入れてもらったらいいか!」と、勝手に置き配指定を「Cさん宅の宅配ボックス」にすることを思いつきます。

「宅配業者さんもよく間違えるな…と思いながら、何度かお隣に荷物を届けていたのですけどね。しかし、まさか勝手に届け場所として指定されているとは、本当に驚きました。変な隣人がいてショックです」

Cさんは意識的に自宅の荷物を「宅配ボックスに置き配」して、お隣さんが使えないように置きっぱなしにしているそうです…。

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