「神戸のお嬢様」と呼ばれ、まん丸なシルエットや愛らしい仕草で多くの人の心をつかんできた神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ、タンタン(メス、28歳)が死去したことが、1日、分かりました。
阪神・淡路大震災で被災した市民らを励まそうと、オスの初代コウコウと一緒に中国からやってきて24年。他のパンダよりちょっと小柄で短い手足で、木登りをしたり、お気に入りのタイヤにちょこんと収まったり。2代目コウコウとの間に人工授精で授かった赤ちゃんは、1頭は死産、1頭は3日後に死亡し、その後も夏ごろになるとニンジンや石を大切そうに抱く姿が涙を誘いました。
心臓病が分かってからも、飼育員との深いつながりのもと、毎日トレーニングや投薬、採血などを頑張ってきたタンタン。体調が思わしくなく、観覧中止になっても日々更新されるX(旧Twitter)を通して愛らしい姿を見せてくれ、まいどなニュースでも報じてきました。
タンタンへの言い尽くせない感謝を込め、天国で亡くなった赤ちゃんたちと再会できていることを祈り、これまでのニュースを再掲します。
お、落ち…ないの!?本当にタンタン?“神戸のお嬢様”パンダ 20年前のお転婆動画が貴重すぎて泣ける(2021年12月22日公開)
「20年前に撮ったビデオカメラと写真を引っぱり出しコロコロ遊んで元気いっぱいだった頃のタンタンを投稿しています」。今や“神戸のお嬢様”とも呼ばれる神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ、タンタン(26歳メス)の5、6歳頃の動画がツイートされ、「こんなにお転婆さんだったとは」「この頃に出会いたかった」「見ていて涙が出ます」とファンから感謝の声が連なっています。その思いを受け止め丁寧に返信するのは、動物園の近くに住んで35年の槿(あさがお)さん。
「2000年夏にコウコウとタンタンが来園し公開5日目に初めて会いに行きました。コウコウは天真爛漫で、ヤンチャで、やることがとっても面白くて。タンタンは、お庭に出るなり走り出したり、植えてある木の全部に登ったり、とにかく元気。太めの枝がいくつも折れるほどで、落ちるのは見たことなかったですが、大丈夫だったのかな(笑)」(続く)
https://maidonanews.jp/article/14507860
毎年思い出す失った我が子…ニンジンや石を抱く、切ない「偽育児」も峠を越え まだ神戸に残るパンダ・タンタン(2020年12月6日公開)
中国へ帰ることが発表されたものの、コロナ禍ゆえその日程が決まらない神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ、タンタン(メス、25歳)。いつか、もう間もなく…と寂しさを募らせていましたが、このほど日本での年越しが決定しました。
夏頃から、あまり食べず、寝ている時間が長かったタンタン。これは「偽妊娠・偽育児」の状態といい、国内では、二度の妊娠をしたものの死産と出産後まもなく我が子を亡くしてしまったタンタンだけに毎年のように見られる様子といいます。子育てをしているつもりでニンジンや竹をなめたり、抱いたりし続けていましたが、秋の深まりとともにようやく食欲も出てきたのだとか。飼育員さんに聞きました。
―今回の“育児”は終わったんでしょうか。
「そうですね。ニンジンを抱いたりはしなくなりましたが、全くないわけでもなくて…。夜は竹を抱いたりするんですよ。もう、『抱き枕かい!』って感じもしますけど。ふと思い出したかのように抱くんです。全く抱かない時期もあるので、まだ偽育児は終わっていないと思います」
―切ないですが、抱いてばかりで食べない日が続くと体調が心配…
「そうなんです。だから、ニンジンの切り方も、普段は持ちやすいように細長い切り方なんですが、それだと抱きやすくてつい抱いてしまうので、偽育児の期間中はわざと小さく切るんです」
―屋外運動場の岩の上に小石が並べてありますが?
「タンタンが抱きやすい大きさのものを拾って、よけてあるんです。実際、抱いたこともありますし…。屋外で何か抱き出すともう寝室に帰ってこないと思うんです。集中してしまって、気温が高くなってもずっと抱いたまま動かなくなると、タンタン自身が危ないんです。だから、安全のため、抱きそうなものは取り除くんです」
―そうなんですね。タンタンは抱っこしている時、幸せそうにも見えますが…
「本人は育児しているつもりなので、幸せそう、というのはその通りかもしれませんね。でも、あまり長引かせるのも良くない。なるべく気持ちを切り替えさせてあげたいって思います。少しでも早く元に戻るように…と」(続く)
https://maidonanews.jp/article/13990345
「タンタンが登った…」パンダ久々の姿を公式が感涙ツイート 「また見たかった姿」観覧再開に高まる期待(2022年12月26日公開)
「休園日は天候を見ながら外に少し出てもらっています。本日は、なんと、いつぶりか忘れましたが、、、登ったのです。やるね!!!」
休園日の朝。動物園のジャイアントパンダが庭の櫓に久しぶりに登ったことを伝えた公式ツイートに、「感激です」「また見たかった姿」「涙が出る…」と喜びのリプライが押し寄せました。
神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ、27歳のタンタン(メス)。2021年に明らかにされた心臓疾患の検査や治療などの体調管理を優先するため、2022年3月中旬から観覧休止が続いています。担当飼育員はバックヤードでの日々の様子をこまめにツイート。薬入りのジュースをゴクゴク飲み、心電図や血圧測定などさまざまな検査に果敢に挑む姿も見せつつ、食べたり寝たりマイペースな様子が伝えられています。
ータンタン、登ったんですね!
「はい。『え、どうした、行けんのかい?』という感じで見てました。撮影は自分です。感想はもう、『うそっ』『ほんまに?? 』ですね。」
ー外に出ることをタンタンは楽しんでいる?
「日によって違う感じですね。扉を開けてやるとすぐに出ていくときは、外に出ることを喜んでるなと思います。通路でとりあえず休んでから 、『じゃあ、行ってくるわ』という感じのときは、 実はめんどくさいのかもなあと思います」(続く)
https://maidonanews.jp/article/14800168
非公開続く神戸パンダのお庭、丸ごと目隠ししたら…? の~んびり連発「いつものタンタン」にファン大感激!飼育員に聞いた(2023年5月2日公開)
体調管理のため非公開が続く神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」(27歳・メス)の屋外の様子を同園公式Twitterが頻繁に伝えています。目隠しシートが新たに設置されたため、「外時間」が格段に増えたからです。寝て食べて、時にはへそ天でくつろぐいつもの姿。「懐かしい気持ちになりました」とつぶやいた担当飼育員の梅元さんに、最近の様子、観覧再開への思いを聞きました。
—目隠しシートを設置したきっかけは?
「開園日でも時間を気にせず出してあげたいと園内で話し合い、鳥インフルのころには実はもう設置が決まっていました。行動量を増やすことにもなり、治療目的もあります」
—外の方が好き?
「今は過ごしやすい季節ですし、気晴らしにもなっていると思います。外へは自分から出ていきます。すぐ戻る時もあって、その日の気分次第ですね」
—懐かしい光景、とつぶやいていました
「勤務日の関係で、タンタンが外にいるのを見る機会が自分はあまりないんです。岩を背もたれにしているのを見て『懐かしいな』と感じました。病気が見つかった時はこの先どうなるのか分からない状態でしたから、今、当たり前のようにこうやって見ていますが、タンタンは本当に頑張っていると思いますし、感動します」(続く)
https://maidonanews.jp/article/14897541
会えないけれど近くにいたい…神戸のパンダ「タンタン」28歳お誕生日会に多くのファン“参加” 動物園が伝えたかった感謝の思い(2023年9月19日公開)
会えないけれど近くにいたい—。心疾患を抱え、体調管理のため観覧休止が続く神戸市立王子動物園の人気者、ジャイアントパンダのタンタン(メス)が9月16日、28歳の誕生日を迎え、多くのファンが早朝から入園待ちの列に並びました。園ではファンにも“参加”してもらおうとさまざまな誕生日企画を用意し、感謝の思いを伝えました。
午後からは公式YouTubeチャンネルでライブ配信を実施。同園としては初の試みで、タンタンへの質問を事前募集し、パンダ館内の観覧通路から飼育員の梅元さんが答えました。質問総数680件の中から、タンタンの毛の触り心地や視力、嗅覚、鳴き声などに関する質問に回答。タンタンが大好きだというブラッシングにまつわる裏話も披露されました。
好きな匂い、嫌いな匂いは?という質問には、「やはり主食のタケの匂いが好きだと思います。消毒液の匂いが苦手ですが、必要なことなので少しずつ慣れてもらって、今は我慢して頑張ってくれていると思います」。タンタンの匂いは「ほぼ無臭」だそうです。