神戸のパンダ「#きょうのタンタン」スタート…「上野、和歌山に比べ地味」の汚名返上へ飼育員の思い

茶良野 くま子 茶良野 くま子

 国内でジャイアントパンダを飼育している数少ない動物園ながら、上野動物園や和歌山のアドベンチャーワールドに比べ、影の薄さが指摘される神戸市の市立王子動物園。その汚名を返上しようと(?)公式ツイッターでついに1月からハッシュタグ「#きょうのタンタン」が始まりました。飼育員たちが飼育員たちの目線でタンタンだけをひたすらツイート。採血や血圧測定の練習姿など普段目にすることができない愛らしい姿に、注目が集まっています。

 タンタンは奇しくも阪神・淡路大震災が起きた1995年に中国で生まれ、現在24歳。2000年にオスのコウコウ(興興)と一緒に来園し、「震災で傷ついた人々の心を癒やす」という役割をしっかり果たし、多くの人を笑顔にしてきました。この間、子宝も期待される中、一度の死産を経て出産したものの生後数日で赤ちゃんを亡くすという辛い経験も。さらに2010年にコウコウが亡くなって以来、おひとりさま生活を送っています。

 小柄な体、パンダの中でも格別に丸い顔、手脚の短ささえも魅力に変えて、ツイッターはファンによる投稿であふれていますが、時々、上野動物園のシャンシャン(2017年6月誕生)の観覧数時間待ちの状況などと比較され、「並ばなくていい、おすすめ」という“複雑”なつぶやきもチラホラ。タンタン本人は大好物のリンゴとおいしい竹さえあればご機嫌な笑顔を振りまいてくれ、きっと気にはしてない(というかのんびり過ごせてうれしいかも?)ですが、長年連れ添う飼育員たちは「タンタンの情報をもっともっと来園者のみなさんにお伝えしたい」と思いを募らせていたといいます。

 そんな中、本年度はSNSに明るい女性の新人研究員hollyさんも加わり、満を持して今年1月中旬に「#きょうのタンタン」を初ツイート。「2020」の形に並べられたニンジンを右手に持ち、パクっとするタンタンの写真とともに「皆さんの知らないタンタンが見られるかも?」との「中の人」のつぶやきに「うれしい」「楽しみ」「ありがたい!」と喜びコメントが並びました。翌日は、大量の竹に囲まれた姿や、檻にしがみつき撮影者に甘えるかのような表情に、キュンと来すぎて呼吸の仕方を忘れたっぽい人も。

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