家族の介護負担が大きくなったら…「介護休業給付」の活用を 「同居していなくも大丈夫」「精神的な症状のケアにも使える」【FPが解説】

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介護休業給付を受ける際の注意点

介護休業給付を受ける際にはいくつか注意点もあります。

▽注意点① 休業期間中に休業前の賃金の80%以上が支払われている場合はNG

介護休業給付は、あくまでも介護のために仕事ができなくなることにより著しく減少してしまう収入を補う制度ですので、休業前の賃金の80%以上が支払われている場合には支給されません。

また、80%に満たない場合でも、収入額に応じて減額されることもありますのでよく確認しましょう。

▽注意点② 別の休業給付との併給は不可

育児休業給付などの別の休業給付と介護休業給付との併給はできません。

休業自体も給付が発生するものに関してはいずれかひとつを選ばなければなりませんので、介護休業中に育児休業を取得した場合にはその日から介護休業は終了し、給付も停止されます。

▽注意点③ 症状が変わっても同じ対象家族に使える休業給付は93日まで

一度の介護で上限の93日間まで給付を受け復帰した後、要介護状態が変わって再び介護休業を取得した場合でも、同じ対象家族は再度給付を受けることはできませんので注意しましょう。

たとえば、会社員Aさんが母親の介護のために70日間介護休業給付を受給し職場復帰した後、母親が要介護4に認定されてしまい更なる介護が必要となった場合でも、給付はあと23日間しか受けられません。

▽注意点④ 二人で一人の対象家族を介護する場合は併給可

複数の家族と協力して一人を介護する場合は、介護者はそれぞれ給付を受けることが可能です。

たとえば、夫Aさんの母親を介護するために、妻と夫の二人とも同時に介護休業を取得した場合は、支給要件を満たしていれば対象家族が同じであってもいずれも給付を受けることができます。

また、要介護者とは同居していなくても給付の対象ですので、介護休業中だけ実家に帰って介護したような場合も支給対象です。

▽注意点⑤ 2週間以内の休業の場合も受給可

介護状態の要件としては「2週間以上にわたり常時介護が必要である状態にある家族を介護すること」がありますが、これは介護状態を示すものであり、自宅で介護を受ける期間は必ずしも2週間以上でなくても構いません。

たとえば25日間の介護が必要で、そのうち病院に入院できる期間が15日だった場合、入院前の10日間だけ自宅で介護するために休業するという場合には10日分の介護休業給付が支給されます。

「休業期間が2週間以上だから…」と思っていると損をしてしまいますので、気を付けましょう!

会社員の方はぜひ積極的に活用を

あらためて介護休業給付のポイントをまとめます。

・介護休業給付は介護中の収入減を補うものであり、職場復帰が前提の制度
・対象となる介護は精神的な症状のケアも含まれる
・他の休業給付との併給は不可
・一人の介護につき受けられる給付は93日まで!介護状態が変わったとしても再受給は不可
・介護自体が2週間以上にわたるものであれば、2週間以内の休業でも受給は可能

将来的にどのような状況になっても、介護休業給付は一人につき93日までという上限があることが一番気を付けなければならないところですが、注意点をきちんと理解し、計画的に活用すれば介護休業給付は仕事を継続していくための大きな助けとなります。

また、一般的な介護と比べるとまだ補助制度の少ない精神面の病気についてもケアをすることができるのも、介護休業給付の魅力です。会社員の方はぜひ積極的に活用していきましょう。

同時に、万が一給付上限に達してしまった後のことも考え、日頃から万が一の際のお金を備えていくことも大切です。

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【出典】
▽厚生労働省ホームページ「Q&A~介護休業給付~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158665.html

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